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府中市美術館 Fuchu Art Museum
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ジョセフ・ラヴ「INTERIOR」

更新日:2008年4月1日

じょせふ・らぶ いんてりあ
1964年 紙、木版
59.3センチメートル×45.5センチメートル

INTERIOR・・・中にある、内側の、内部の、秘密の、私的なもの・・・。
黒く縁取られた黄色い空間の中の茶色い円。黄色い空間は左側に大きく開いていて、あたかも黒く小さな生き物たちが画面の左外から球形の卵子めがけて侵入してきたかのような感じを与えます。実はこの円の内側だけが唯一閉じられた空間なのですが、よく見ると黒い境界線はぎざぎざにかじられたように欠けていて、一部はかなり細くなっています。危うく破られそうになっている内部の赤い領域・・・
この絵画のなかで、黒は第一に境界線でありますが、面でもあります。黄色や黄土色、そしてグレーや濃い紫色を取り囲む黒線は、右下の黒い池のようなもの、そして中央下から上方へ広がる闇の流れに繋がっています。
そして赤。左上で斜めに走る透明な蛍光色の赤と円領域の渋い茶色、そして下方の垂直の茶色は、まったく性質が異なっていて、これが黄色や上下の朽葉色の暖色と呼応しながら、奥行きのある空間をつくりだしています。明度の高い色彩に顕著な板目木版の少しかすれた質感の美しさ。
晩年の数年間を、多摩川べりの稲城市矢野口で過ごし、主に1960年代から80年代にかけて活躍した美術批評家にして画家、写真家でもあったジョセフ・ラヴの初期の抽象的版画。ラヴはマサチューセッツ州生まれのアメリカ人ですが、ボストン大学哲学科を卒業後、1956(昭和31)年、イエズス会士として来日しました。この絵を描いた昭和39年には上智大学神学部の修士課程を卒業しており、昭和43年からは同大学で神父をしつつ美術史の教授をつとめ、雑誌『美術手帖』などを舞台に美術批評家としても活躍したのでした。
ラヴは、西洋と東洋の美術、そして精神世界の違いと交流に大きな関心を持っていました。彼は日本の現代美術を論じ、鋭い観察に基づいた批評を多く残しましたが、「しばらく内部(inside)に身を置くよそ者(outsider)」としての自分をいつも強く意識していたのです。内側と外側の差異と交流。この版画には、在日アメリカ人としての生涯を過ごしたラヴの特異かつ鋭敏な感覚が無意識のうちに現れていると思います。

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ぱれたん

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