広報ふちゅう 令和7年(2025年) 8月15日号 第 2080 号 石碑に宿る まちの記憶 第3回府中市議会定例会 招集日は8月29日(金) 府中市議会では、請願、陳情、傍聴等を受け付けています。 また、インターネットによる映像配信も実施していますので、ぜひ、ご覧ください。 問合せ:議事課(電話335-4507) 発行:府中市 編集:政策経営部秘書広報課 〒183-8703(個別郵便番号) 府中市宮西町2の24 電話:042-364-4111(代表) FAX:042-366-1457 (府中市の市外局番は042) ホームページ:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/ 「広報ふちゅう」は毎月1日・15日発行 この地名、なぜこう呼ばれている? 市内には、特徴的な名前の土地・坂等が多く存在し、 それらには、その時代の暮らしや歴史が表れています。 市では、府中の風土や歴史に対する理解を深めてもらうため、 市内142か所にその地名等の由来を刻んだ石碑「由来碑」を設置しています。 今号では、市内の特徴的な地名等の由来の一部を紹介します。 この機会に、地名等から分かる府中の歴史に触れてみませんか。 私たちが案内します! 観光ボランティアガイド 赤坂さん 諫早さん 府中の由来  府中には、奈良時代から平安時代にかけて武蔵国(※ 現在の東京都・埼玉県・神奈川県東部にまたがる国)の国府(※ 各国を治めるために設置された地方行政の中心地で、国司(朝廷から地方に派遣された役人)が政治を行う場所)が置かれており、「国府の中」という意味から「府中」という地名がつきました。また、他の地域にある国府・府中と区別するために、「武蔵府中」と呼ばれることもあります。  府中市は、昭和29年4月1日に、府中町、多磨村、西府村の1町2村が合併して誕生しましたが、市内の地名については府中市が誕生する以前の江戸時代や明治時代に名付けられたものが多いようです。 一 片町  徳川家康が江戸に入城後、新しく整備した甲州街道(現在の旧甲州街道)に沿ってできた町で、街道の南側に高(はしごだか)安寺があることから、町が北側の片方だけ発展したことに由来します。  鎌倉時代の初期に武蔵坊弁慶が高(はしごだか)安寺に立ち寄ったと言われ、高(はしごだか)安寺前の坂を「弁慶坂」、(現存はしていませんが)そこに架かっていた橋を「弁慶橋」と呼ぶようになったとされています。 二  御殿坂  徳川家康が江戸に入城後、鷹狩り等で府中へ来たときに宿泊する場所として「府中御殿」を建て、そこへ続く道として名付けられたとされています。  府中御殿は正保3(1646)年に火事で焼失したとされています。その後、発掘調査で徳川将軍家の初期の「三葉葵紋」の鬼瓦が発見されたことから、ここに徳川将軍家の府中御殿が確かにあったことが証明されました。 三 是政  現在の東京競馬場東側周辺、府中街道・武蔵国府八幡宮の南側の道路沿いに集落の中心があった村落です。地名の由来は、天正18(1590)年以降、この地を開拓した井田摂津守是政という武士によるとされています。 由来碑  市内の地名等の由来を伝えるため、「坂」「橋」「地名」「道」「渡し※」の5種類計142基を、昭和59年度から平成8年度にかけて、それぞれのゆかりの地に設置しました。まちを歩いていると、ふとそこにたたずんでいるかもしれません。ぜひ、探してみてください。 ※渡し船が発着する場 問合せ:文化生涯学習課(電話335‐4464) 種類によって石碑の形が違います 四 是政渡し  是政渡しは、是政と対岸の大丸(現在の稲城市)を結んでいた渡しで、是政村が経営していたことが由来です。昭和16年に是政橋が完成し、是政渡しはその役目を終えました。 五 かなしい坂  この坂は、玉川上水の工事と関わりがあるとされています。玉川上水は、江戸時代に飲料水供給のために作られた水路で、府中の八幡下から掘り起こし、多磨霊園駅付近を経て調布市の神代周辺まで掘削して導水しましたが、当時この坂のあたりで地中に浸透してしまい、その責任を問われて処刑された役人が「かなしい」と嘆いたという俗説があります。  また一方で、金尻村という村へ行く坂、かなしり坂のなまりであろうとも言われています。 かなしい坂を古くから知る方にお話しを伺いました! 地元の方 古川さん  本当はこの坂より前に浸透していたのでは、という話を聞いたこともあり、役人はかわいそうだなと感じます。4、50年前のかなしい坂の辺りは、たけのこが採れる雑木林でした。 六 車返  車返は、現在の白糸台の一部地域に集落があった村落です。鎌倉時代、源頼朝が奥州征伐の際に家臣の畠山重忠に命じて仏像を鎌倉へ移送していたところ、当地で夢告(※ 神仏が夢の中で人に意思や指示を告げること)を受け、この地に仏像を安置し、仏像を運んでいた車はもとの場所へ返したことにより、この地名が名付けられたという伝承があります。 武蔵国府中を歩こう 市内観光ミニツアーを開催しています お気軽にお越しください  観光ボランティアの会では、府中の歴史や魅力を楽しく学べるツアーを開催しています。 問合せ:観光情報センター(電話302-2000) 日時:毎週木曜日、毎月第1土曜日(8月21日・28日(木)・年末年始を除く)午前10時〜正午 集合場所;観光情報センター 費用:無料 申込み:当日直接会場へ ※天候等により中止となる場合があります。 「いしぶみ草紙 路傍の語り部たち」を発行しています  由来碑の内容をまとめた冊子「いしぶみ草紙 路傍の語り部たち」を発行しています。  同冊子は、中央図書館での貸出しやふるさと府中歴史館2階市政情報公開室で閲覧できるほか、販売もしています。 販売場所:市役所広聴相談課、市政情報センター/オンライン購入可 価格:450円