自主防災ふちゅう 第14号。 令和7年(2025年)2月発行。 発行:府中市。 編集:総務管理部防災危機管理課。 〒183-0056、府中市寿町1の5、府中市中央防災センター。 電話:042-335-4098。 FAX:042-335-6395。 メールアドレス:bousai01@city.fuchu.tokyo.jp 。 阪神淡路大震災から30年。  1995年(平成7年)1月17日午前5時46分。  まだ暗い真冬の早朝に大都市を襲った地震は、観測史上初の震度7を記録する大災害を引き起こしました。  この地震により死者6,434名、負傷者43,792名、被害住家は約64万棟にものぼり、甚大な被害を前にして地元の消防機関や行政によるこうじょだけでは対応しきれない状況となりました。  一方で、家族による自助やご近所、地域コミュニティ、民間企業などによる共助の助け合いと支え合いが極めて重要であることが認識された災害でもありました。  この震災の教訓を生かし、今後起こり得る災害に備えて私たちは何をすべきか、今一度考える必要があります。  死者数、負傷者数、住家被害棟数は、阪神淡路大震災について(確定値)平成18年5月19日 消防庁のデータ。  阪神淡路大震災で亡くなった方の多くは、家屋の倒壊による圧死や窒息死でした。  このため、建築基準法の改正や建物の耐震診断、耐震改修を進めるための耐震改修促進法がのちに整備されました。  また、被災者の住宅再建を支援するための被災者生活支援法も整備されました。  さらに、阪神淡路大震災では、多くの市民ボランティアが被災地に駆けつけ、救援や復旧活動に欠かせない存在となったことから、震災が起きた平成7年はボランティア元年ともいわれ、後にボランティア活動を行う団体を後押しすることを目的とした、特定非営利活動促進法が制定されました。 円グラフデータ1、阪神淡路大震災における生き埋めや閉じ込められた際の救助主体。  自力で脱出、34.9%。  家族、31.9%。  友人・隣人、28.1%。  通行人、2.6%。  救助隊、1.7%。  その他、0.9%。  出典、内閣府の平成26年版、防災白書より。 円グラフデータ2、阪神淡路大震災における死因別死亡数構成割合。  窒息・圧死、77%。  焼死・熱傷、9.2%。  あたま・頸部損傷、5.1%。  内臓損傷、1.8%。  外傷性ショック、1.2%。  その他、3.4%。  不詳、2.3%。  出典、厚生省、人口動態統計からみた阪神淡路大震災による死亡の状況。 円グラフデータ3、阪神淡路大震災におけるけがをした人の原因。  家具が転倒したため、48.5%。  棚の上からの落下ぶつがあたった、15.8%。  落下したガラスがあたった、10.5%。  逃げようとしたときに転倒した、8.8%。  その他、16.4%。  出典、平成7年2月神戸市消防局調査。 神戸市消防局広報誌、雪、1995年4月号、阪神淡路大震災、消防職員手記、内谷康雄、出典(一部抜粋)。 夢であってほしい。  娘を助けて!と、母親が3歳ぐらいの女の子を抱いている。  すでに病院到着時には心肺停止している、状態が悪い。  心肺蘇生をしながら事情を聴取、地震の際、危ないと思い、覆いかぶさった上に家財が倒れ、抜けだせなくなったとのこと。  助けて下さいと何度も何度も私に手をあわせる。  数分経つ。  駆けつけた医師により死の告知。  私が殺したと母親が号泣、くそー、くそー、と父親が叫ぶ。  胸が痛む。  目頭が熱くなる。  この様に、あまりにも唐突の別れに落胆する家族があちこちに見受けられる。  夢ではないか、いや、夢であってほしいと願う。  覚知より約3時間後、甲南病院へ最初の救急搬送を終える。  この間、あまりにも多くの人の死、別れ、絶望、また、怒りを目の当たりにし、この現実ばなれした真実を受け入れるのには、短すぎる時間であったが、私の心の中には長くつらい時間が残るであろう。 ペット防災のキホン。 同行避難。 災害時はペットと一緒に同行避難。  避難が必要な場合、飼い主はペットと一緒に安全な場所まで避難することが原則です。  過去の災害では、いったん避難した飼い主がペットを避難させるため、自宅に戻ったところ、災害に巻き込まれたケースや、ペットが飼い主とはぐれて放浪状態となり、ひとに危害を加えたり繁殖して公衆衛生が悪化するといった問題が起こりました。 必要なグッズの準備。  避難所には、全てのペットに対応する備蓄はありません。  ペットへの備えは飼い主の責任として救援物資が届くまでの少なくとも3日分以上を用意しておきましょう。  一例として。  ●クレートやケージ、キャリーバッグ。  ●食器や紙皿など、ラップを被せて使えば汚れないので便利です。  ●予備の首輪やリード、伸びないもの。  ●フードや水、普段食べているものを5日から7日分。  ●トイレやマナー用品、ペットシートや処理用具は必須です。  ●常備薬や療養食、多ければ多いほど安心です。 避難所で必要な最低限のしつけ。  ●クレートやキャリーに馴れる、注意、クレートやキャリーに入れないと、避難所での同室避難が難しくなります。  ●マテ、オスワリ、オイデが出来る。  ●トイレが出来る。  ●吠えない、咬まない。 ペットの社会化。  人懐っこく、飼い主以外の人とも仲良くなれれば、避難所での共同生活はもちろん、飼い主に万が一のことがあった場合に世話をしてもらいやすくなります。  ●声をかけてもらいやすい。  ●避難所でもみんなに愛される(トラブルになりにくい)。  ※社会化やしつけの方法は、ペットの性格や性質によって違います。  獣医師や専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。   クレート&キャリー トレーニングにTry!  ステップ1、1週間 目、クレートまたはキャリーを設置する。   まずは生活空間に置くだけ、ムリヤリ入れないでね。  ステップ2、2週間 目、クレートまたはキャリーに好みのフードを置く。   中にフードを置いて自分から入るまで待つ、中に入っても急に閉めない。  ステップ3、3週間 目、クレートまたはキャリーにフードを投げ入れる。    フードを すう粒、クレートまたはキャリーの中に投げ入れる、中から顔を出した時にもすう粒あげる。  ステップ4、達成!、扉を閉める。   フードを持つと自分から入るようになったら扉を閉める。   同室避難。 府中市の避難所は、ペットと一緒に生活できる同室避難スペースがあります。  避難所でのペットの飼育管理は、飼い主が責任をもって行うことが原則となります。  動物が苦手な人や動物アレルギーのかたがいますので、お互いの気持ちを尊重しつつ、ルールやマナーを守って避難所を利用することが求められます。 ペットを飼っている人の気持ち。  ●ペットは家族だから一緒にいたい。  ●避難所への立ち入りを断られたらどうしよう。  ●餌や水、ケージやリードはあるのかな。  ●避難所にペット専用のスペースが欲しい。  ●吠えたり鳴いたりしたらどうしよう。  ●やっぱり避難は車中泊になるのかな?。  ●ペットの種類ごとにスペースが欲しい。  ●ペットのトイレが心配。 ペットを飼っていない人の気持ち。  ●動物アレルギーだから近寄らないでほしい。  ●ペットから目を離さないで欲しい。  ●鳴き声がうるさい。  ●ルールやマナーを守ってほしい。  ●糞尿や けもの臭くていやだ。  ●吠えたり、噛みついたりしそうで怖い。  ●ちゃんとしつけて欲しい。  ●人命を優先して欲しい。   やっておきたい ペットの管理。 不妊・去勢。  動物は自らの意思で繁殖をコントロールできません。  年齢や身体状況によっては不妊や去勢手術にリスクが伴う場合があるため、かかりつけの獣医師とよく相談してください。   不妊・去勢のメリット。  ●病気の予防。  ●オスの行動変化。  ●発情中のストレス軽減。  ●望まない妊娠を避ける。 メス猫は生後4か月から12か月で子猫を産めるようになります。 また、年に2回から4回発情期があり、1回に4頭から8頭の子猫を産みます。 1頭のメス猫が…1年後には20頭以上、2年後には80頭以上、3年後には2000頭以上。 引用、環境省、新・普及啓発用パネル、不妊・去勢手術をして飼いましょう。 ワクチン接種。  避難所では、他の動物や人間から感染症をうつされたり、逆にうつしたりする恐れがあります。  また、不注意でペットが脱走してしまい、外で感染する可能性もあるため、ワクチンを接種して感染症の蔓延を防ぐことが重要です。 はぐれても必ず再開するために。  突然の災害により、ペットと離ればなれになってしまう可能性があります。  ペットが迷子になり、どこかで保護されたときに飼い主がすぐわかるよう、普段から身元を示すものをつけておくことが大事です。  ●重要、脱走の際に首輪が外れたり、迷子のあいだに痩せて首輪が外れたりすることがあるため、マイクロチップは迷子の二重対策として有効です。 在宅避難。 しっかり備えて在宅避難。  ペットは環境の変化により強いストレスを受けます。  家具の転倒防止や防災備蓄を行い、発災後も自宅の安全が確保できるよう備えて、自宅で過ごす在宅避難も考えよう。  家具等が転倒してペットが怪我をしたり、怖い思いをすると強いストレスがかかってしまいます。  家具類の固定は、大切な家族の一員であるペットの命を守ることにつながりますのでしっかり対策を行いましょう。 飼い主による共助。  ペットへの理解があり、共にペットを気にかけてくれる仲間を作りましょう。  自分が動けないときにサポートをお願いしたり、ペットに関する支援情報を共有したりすることができて、心の支えにもなります。 府中市立南ちょう小学校が東京消防庁の主催する第21回防火防災功労賞、優良賞を受賞しました。 総合防災教育を地域の防災力向上に繋げる取組(府中市立南ちょう小学校)。  南ちょう小学校が立地する南ちょうは、令和元年東日本台風が直撃した際に、市から避難勧告が発出された、まさに浸水被害が想定される地域でした。  この経験を機に、あらためて自分たちのまちには、災害がいつ起きてもおかしくないという危機意識が高まり、多摩川の氾濫から確実に命を守るための避難所を、地域の皆さんや市などと協力して定めました。  また、毎年5月に学年ごとに水害避難訓練を行っているほか、毎月の避難訓練に併せて防災に関する授業を行い、防災力の向上に努めています。  また、学校を中心にPTAや近隣の自治会、市、消防署、消防団と連携して防災訓練や避難所の開設訓練を行っており、そこでは、6年生が総合防災学習で学んだ成果を地域の皆さんに発表して防災の大切さを伝えるなど、地域のつながりを強化する取組を行っていることが高い評価につながり、今回の受賞となりました。  ※令和3年5月の災害対策基本法改正に伴い、避難勧告は廃止となり避難指示に統一されました。 令和元年度以降のほん市における受賞歴。  第17回、令和2年度はリムザ自治会が優良賞。   第18回、令和3年度は都立府中けやきの森学園が優秀賞。  第19回、令和4年度は府中市自治会連合会が優秀賞。  第20回、令和5年度は緑町自治会と分梅町自治会連合会が共に優良賞。  第21回、令和6年度は府中市立南ちょう小学校が優良賞。 令和6年度府中市総合防災訓練の新たな取組、水害車両避難訓練・ペット同室避難訓練・EVサポーター訓練(研修会)を実施しました。  9月14日土曜日に府中第五中学校、10月5日土曜日に府中第七小学校で行われた府中市総合防災訓練(避難所開設訓練会場)では、ほん市として初めて多摩川の氾濫を想定した市民による車両避難訓練、ペットと同行避難をしてきた避難者の受け入れ訓練、EV、(電気自動車)を所有する市民が避難所の給電に協力する訓練を実施しました。