自主防災ふちゅう 第15号。 令和7年(2025年)9月発行。 発行:府中市。 編集:防災危機管理本部 防災担当。 〒183-0056、府中市寿町1の5、府中市中央防災センター。 電話:042-335-4098。 FAX:042-335-6395。 メールアドレス:bousai01@city.fuchu.tokyo.jp。 災害時の応急トイレ対策、防災用モビリティートイレ車両を導入。 大規模な災害の発生によって上下水道に大きなダメージが生じると、トイレは給排水ができずに詰まってしまい、使用できなくなります。  トイレを安全に安心して使用できない状況は、被災者の健康被害に直結する大きな問題であり、発災時に清潔なトイレを確保することは災害対策における重要な課題の一つです。  市では、この課題に対応するため、防災用モビリティートイレ車両(以下「トイレカー」という。)を導入し、また、トイレカーを所有している全国の自治体が、災害が発生した地域を相互に支援する、「災害派遣トイレネットワークプロジェクト」に参加し、令和7年9月から運用を開始しました。  なお、この取組の趣旨にご賛同いただいた個人や企業・団体の皆様に、クラウドファンディングによる寄付をいただきました。 トイレカーは災害に強い ●断水や下水道が使えなくても大丈夫。  トイレカーは給水タンクと汚水タンクを備えています。  給水タンクの水が空になったり、汚水タンクが満タンになった場合には、自そうで給水や汚水処理の拠点に移動して補給等を行い、活動を継続することができます。 ●停電時でも大丈夫  トイレカーの照明や給水ポンプの電源は、ソーラー発電システムとリチウムイオン電池で対応することができます。  また、停電していなければ、外部電源につないで給電することも可能です。 ●使用回数は950回から1,300回  トイレットペーパーの使用量等によりますが、汚水タンクが満タンになるまでに950回以上の使用が可能です。 快適装備の充実。 ●いつつのトイレ室。  普通トイレ、4室、多機能トイレ、1室の計5室を配備。多機能トイレは車イス利用者用のリフターがあります。 ●温水洗浄便座を完備。  寒い時期でも便座と洗浄すいの温度を快適に保ちます。また、擬音装置が付いていて、誰でも安心して使用できます。 ●全室に洗面台を完備。  全てのトイレ室に洗面台を設置して、手洗いを可能とすることで、感染症の蔓延を防ぎ、衛生環境を保ちます。 ●照明・換気。  室内を明るく照らすことで安心感が向上し、防犯面でも効果を発揮します。また、換気を行うことで不快感を軽減します。 マイタイムラインのすすめ。  今、あなたの住む地域に避難情報が発令されたら、すぐに避難することができますか?  避難ルートや避難先の確認は大丈夫ですか?非常持ち出しひんの用意はできていますか?  マイタイムラインとは、台風などに伴う大雨によって、川の水位が上昇し、氾濫の危険が迫るまでに、自分や家族が、「いつ」・「何をするのか」を整理しておき、いざというときに、あわてずに行動できるようにする、自分自身や家族の避難計画です。  マイタイムラインを作る過程では、市の水害ハザードマップを確認することや、気象情報の意味、洪水のリスクなどを知ることができます。  自分や家族の命を守るため、ふうすい害時の避難行動を考えてマイタイムラインを作ってみませんか。 マイタイムライン(一例) 警戒レベル1:早期注意情報(警報級の可能性)災害への心構えを高める。 府中市からの情報:災害の発生するおそれがある台風の接近が予想された場合、市のホームページやSNSで注意を呼びかけます。  警戒レベルに相当する防災情報:台風の進路や災害の発生に厳重に警戒するよう気象庁が呼びかけているとき。 基本的な行動:  ●天気予報を確認。  ●非常持ち出しひんの確認。  ●ハザードマップで市の避難じょを確認。  ●避難のタイミングを確認。  ●知人宅やホテルなどの避難先を確認。 私の避難計画:気象庁が台風への厳重な警戒を呼びかけていたり、公共交通機関が計画運休を予定しているとき。  ●明日以降の予定を変更・キャンセルする。  ●ハザードマップで避難先や避難ルートを確認する。  ●天気予報で台風の進路を確認しておく。  ●非常持ち出しひんを確認しておく。  ●スマートフォンを充電しておく。 警戒レベル2:大雨注意報・洪水注意報、自らの避難行動を確認する。 府中市からの情報:市のホームページやSNSで注意を呼びかけます。 警戒レベルに相当する防災情報:大雨注意報、洪水注意報(野川が該当。)、氾濫注意情報(多摩川が該当。)、強風注意報。 基本的な行動:  ●公共交通機関の運休情報を確認する。  ●移動手段を確保しておく。  ●ペットをクレートに入れて避難の準備。  ●気象庁キキクルなどを見るようにする。 私の避難計画:公共交通機関が計画運休を発表したら。  ●気象庁洪水キキクルを確認する。 警戒レベル3:高齢者等避難(移動に時間がかかる人は避難)。 府中市からの情報:高齢者等避難、または、自主避難じょ(早期開設避難じょとも言う)の開設情報。 自主避難じょとは、暴風雨や公共交通機関の運休により避難が困難になる前に、避難指示などの発令を待たずに、自発的な避難を行うかたを受け入れるため早期に開設する避難じょのこと。 警戒レベルに相当する防災情報:大雨警報、洪水警報(野川が該当。)、氾濫警戒情報(多摩川が該当。)、暴風警報。 基本的な行動:  ●自主避難じょの開設情報で避難開始。  ●避難じょの開設状況や混雑状況を確認。  ●ペットをペットホテルに預ける。  ●車での避難は早めに行う。   ●移動に時間がかかるので避難開始。 私の避難計画:府中市が自主避難じょの開設を発表したり、暴風警報が発表された場合、または、府中市が警戒レベル3、高齢者等避難を発令した場合。  ●ご近所の高齢者等に避難を呼びかける。  ●避難じょの混雑状況を確認する。  ●早めの避難を開始する。 警戒レベル4:避難指示(危険な場所にいる人は全員避難)。 府中市からの情報:避難指示。 警戒レベルに相当する防災情報:土砂災害警戒情報、氾濫危険情報(多摩川が該当) 基本的な行動:避難を開始する。 私の避難計画:氾濫危険情報が発表、または、府中市が警戒レベル3、避難指示を発令した場合。  ●避難を開始して安全なうちに避難を完了する。  ●親戚や知人に避難したことを伝える。  ●警戒レベル4までに避難を完了する。 警戒レベル5:緊急安全確保(命の危険、直ちに安全確保)。 府中市からの情報:災害発生情報。 警戒レベルに相当する防災情報:大雨特別警報、氾濫発生情報(多摩川が該当) 基本的な行動:命の危険、直ちに安全確保、命を守る最善の行動をとって屋内の安全な場所へ避難して 私の避難計画:警戒レベル5まで待ってはいけません。  ●浸水しない上の階に逃げる。  ●近くの高くて頑丈な建物へ逃げる。 車で避難するときの注意点  令和元年の台風19号では、車での避難中に道路の冠水や崩壊等に気付かず進入して、命を落とすケースが全国で26件ありました。  車両避難や避難に支援を必要とする方の送迎については、早い段階で実施しましょう。 この雨大丈夫?迫る災害をひとめで確認、気象庁「キキクル」を使おう。  雨による災害発生の危険度を地図上にリアルタイム表示。  自分がいる場所の危険度を、地図上で確認できます。  ●危険度を警戒レベルに合わせて5段階で表示   危険度が低い方から高い方へ、白、黄色、赤、紫、黒の五色で表現しています。  ●キキクルは、土砂災害・浸水害・洪水害の3種類。   気象庁ホームページやインターネット検索からアクセスしよう。 「東京マイタイムライン」。  東京都では、マイタイムラインを作成するための専用シートやシール、作成ガイドブックをセットにした冊子を配布しています。 お問い合わせ先。  東京都総務局総合防災部防災計画課。  電話:03-5388-2486。 大地震が発生したら車に乗らない乗りださない。  大地震が発生すると、道路にひび割れや陥没、崩落といった被害が発生するだけでなく、倒壊した建築物等で道路が塞がれてしまうことがあり、道路の通行機能が著しく低下してしまいます。  また、多くの人が車で避難しようとすると、特定のルートに車が集中して渋滞が起きてしまい、緊急車両や支援物資を運搬する車両が渋滞に巻き込まれることで、災害応急活動が遅延し、被害の拡大につながる恐れがあります。 道路交通法に基づく第一次交通規制。 震度6弱以上の大地震発生直後から、または、都内で震度5強以上の地震が発生した場合も必要に応じて、環状七号線から都心方向への車両の通行は禁止です。 高速道路等と一般道路6路線が「緊急自動車専用路」に指定され、車両の通行が禁止となります。 ただし、環状七号線は、う回路として通行できます。 災害対策基本法に基づく第二次交通規制。 被害状況や道路の状況を勘案した上で「緊急自動車専用路」が優先的に「緊急交通路」として指定され、車両の通行が禁止となります。 災害応急対策に従事する車両のみ通行できます。 緊急自動車専用路とは。  人命救助や消火活動等に従事する緊急自動車(警察、消防、自衛隊等)および道路点検車などの車両以外は通行が禁止される路線です。  府中市の近隣で指定される路線。   ●甲州街道。   ●中央自動車道。  緊急交通路とは。  救助活動や消火活動のほか、避難支援や物資輸送などの災害応急対策に従事する車両が円滑に通行できるよう、一般車両は通行が禁止、または、制限される路線です。  府中市の近隣で指定される道路。   ●甲州街道。   ●中央自動車道。  その他必要に応じて指定される道路。   ●府中街道。   ●小金井街道。   ●新小金井街道。   ●東八道路。  ●川崎街道。   ●稲城大橋通りほかが指定されます。 緊急輸送道路(東京都)。  救助活動や避難支援、物資輸送などの災害応急活動のために緊急車両の通行を確保する路線で、高速自動車国道や一般国道とこれらの道路を連絡する基幹的な道路が指定されています。  第1次緊急輸送道路ネットワーク。  県庁所在地、地方中心都市及び重要港湾、空港等を連絡する道路。  第2次緊急輸送道路ネットワーク。  行政機関、公共機関、駅、ヘリポート、災害医療拠点、自衛隊等を連絡する道路。  第3次緊急輸送道路ネットワーク。  その他の道路。 「グリッドロック」。  グリッドロックとは、交差点で渋滞のしゃ列に妨げられて、どの方向にも進めなくなり、その結果さらに渋滞が伸びることで連鎖的な膠着状態が生じて、周辺一帯の道路が車で埋め尽くされて、全く動けなくなる現象のことです。  東日本大震災では、地震発生後に宮城県の中心市街で発生が確認されたほか、東京都内でも都心部を中心にこのような状況が確認されました。