広報ふちゅう 令和7年(2025年)1月1日号第 2065 号 FUCHUで暮らす 〜多文化共生を目指して 発行:府中市 編集:政策経営部秘書広報課 〒183-8703(個別郵便番号) 府中市宮西町2の24 電話:042-364-4111(代表) 042-366-1457 (府中市の市外局番は042) ホームページ:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/ 「広報ふちゅう」は毎月1日・15日発行 新春対談 多文化共生を目指して 高野市長×外国人市民の皆さん 府中市に住む外国人市民は令和6年12月1日時点で6574人。5年前に比べて、約1000人増加しています。 言葉や国籍、文化が異なる人たちが同じまちで一緒に暮らすためには、様々な違いを理解し、尊重し合うことが大切です。 市では、同じまちに暮らす人々が違いを認め合いながら、お互いを大切にし、 誰もが安心して暮らすことができる多文化共生のまちを目指しています。 今号では、市内に住む外国人の方々と府中市長が府中市での暮らしについて対談します。 高野律雄 府中市長 Rebecca Graham(レベッカ・グレアム)さん オーストラリア出身 Kushaal Selvarajah(クシャール・セルバラジャ)さん マレーシア出身 王 ジャアイ(ワン・ジャアイ)さん 中国出身 ※文中敬称略 高野市長:初めに皆さんのお名前と、ご出身国、いつ府中に来られたのかを教えてください。 レベッカ:レベッカです。違う言語や文化を学びたいという思いから、オーストラリアから18年前に来日しました。途中2年間インドで過ごしましたが、また日本に戻り、その後はほとんどの期間を府中市で暮らしています。 クシャール:クシャールです。マレーシアから1年半ほど前に、東京農工大学の留学生として来日しました。大学ではニホンカモシカの研究をしています。 ワン:こんにちは、ワン ジャアイと申します。中国出身です。日本に来たのは7年前です。東京農工大学への留学のために来ました。卒業後に仕事の関係で一時期府中を離れましたが、また府中に戻ってきて以来ずっと住んでいます。 高野市長:府中市には東京農工大学と東京外国語大学があるので、留学を機に来日される方も多いですよね。   皆さんのふるさとはどんなまちか、紹介していただけますか。 レベッカ:私が生まれたのは、オーストラリアのジェリンゴンという、人口が3000人ほどの小さなまちです。牧場やサーフィン等が有名です。豊かな自然があり、のんびりしたまちで、砂浜がきれいです。 クシャール:私はマレーシアのクアラルンプール出身です。マレーシアは多様な宗教や文化を持つ国です。 ワン:私の実家は中国のハルビンという、とても寒いまちです。ハルビンは音楽のまちと言われていて、いつもまちの中で、ヴァイオリンやピアノの演奏をしている人がいます。また、氷の彫刻が並ぶ氷祭りも有名です。 高野市長:皆さんのふるさと、素敵なまちですね。そんな皆さんに、府中はどう見えるでしょうか。府中で暮らしてみてどうですか。 レベッカ:府中は緑が多くて、自転車で色んな場所に安全に行けて、住みやすいまちです。私は子どもをふたり育てていて、私が出産した頃は母子手帳の英語版はなかったのですが、現在は対応していたり、その他の子育てに関する資料等も英語版があってとてもすばらしいと思います。府中では、まちを歩いていても、都心のように「ただの観光客だよね」というように無視されている気もしなくて、逆に「え、外国人だ!」と身構えられることもなく、とても楽です。 クシャール:日本に来たときは、日本語が話せずとても苦労しましたが、国際交流サロンの日本語学習会のボランティアの方々が助けてくれて、日本語が話せるようになりました。あと、府中の人たちはとても優しいです。友人たちがいつも助けてくれます。 ワン:府中は私にとって第二の故郷だと思っています。いつも府中に帰ると安心します。府中駅を出てケヤキ並木を歩くのが好きです。なんとなく、安心感があります。 クシャール:交通の便が良いですね。都心にも行きやすいのに、自然がたくさんあって、暮らしやすいですね。 レベッカ:府中駅に降りたらほっとしますね。都会まで行かなくても、生活に必要なものが府中で全部そろう気がします。また、国際交流サロンのような外国人に向けた場所もあって安心できます。 高野市長:私は府中市で生まれ育って、府中市で仕事をしていて、他のまちに住んだことがないので、皆さんが府中を気に入ってくれてとてもうれしいです。   日本に来て、府中に来て、何か困ったことはありますか。 レベッカ:初めは日本語が読めなくて情報を手に入れることができず、大変でした。 クシャール:私も同じで、言語の問題ですね。マレーシアではアニメや漫画等の日本文化が有名で私も好きなのですが、日本語なので読めないことが多かったです。あとは、銀行に行ったときや、電話がかかってきたときに日本語が話せず本当に困りましたね。それでも大学の友人が色々なことを助けてくれたので本当に良かったです。 ワン:日本語が難しいというのはみんな思いますね。私は漢字は分かるのですが、ひらがな、カタカナを覚えるのが大変でした。 クシャール:日本人は初対面の方にはあまり冗談を言わないですよね。マレーシアの人は初めましての方に対しても打ち解けられるよう、よく冗談を言います。そこは文化の違いを感じますね。 レベッカ:今でも癖で出てしまうのですが、オーストラリア人は相手が話していることを最後まで待たずに話に入り込むのが普通です。日本ではそれは失礼なことですよね。そういう習慣は今でも気を付けないといけないと思っています。 ワン:日本語で難しいと感じるのが、「結構です」という言葉です。あるときは、「いりません」の意味、あるときは、「良いです」の意味で、同じ漢字で、意味がたくさんあります。 高野市長:便利な言葉であり、日本語の難しいところですね。今こうして日本語で皆さんとお話ができるというのは、日本語を一生懸命勉強してくれている皆さんと、皆さんを手伝ってくれている方々に助けられているんだなと感じます。 高野市長:新春号ということで、皆さんのふるさとではお正月はどのように過ごされるのか教えてください。 レベッカ:オーストラリアのお正月は真夏なので、友人と夜遅くまで盛り上がり、二日酔いで過ごす人も多いです。日本のお正月のように家族と一緒に家で過ごすのは、クリスマスです。 クシャール:マレーシアでは家族によって色々な過ごし方をします。私の家族は一緒に家でご飯を食べて、テレビで年明けのカウントダウンの番組を見ます。あとは旅行をする人もいるし、公園で花火をしたりする人もいます。お正月は花火があがったりはしますがあまり大きいイベントはないので、静かに過ごす人が多いかもしれないですね。 ワン:中国での正月は春節といって旧暦でお正月を意味するので、毎年時期が違います。1月下旬から2月上旬頃ですね。1週間くらい休暇を取り、帰省して家族と過ごすことが多いです。   中国では、春節に餃子を食べると縁起が良いとされています。旧暦の大晦日の夜12時前に家族で作り始め、年を越して深夜1時頃に食べるという風習があります。何百個と作る餃子のうち5個ほどにコインを入れて、コインの入っている餃子を食べた人は次の年が幸運になれるといわれています。 高野市長:年が変わるときに餃子を食べる習慣があるのですか。日本の年越しそばや、おせち料理に近いのかもしれませんね。私は年が変わるときは毎年大國魂神社にいます。その他、日本のお正月といえば、初日の出やおせち料理、子どもたちはお年玉をもらったりしますよ。 クシャール:私は日本で元旦に山に登って初日の出を見ました。たくさんの人で混んでいましたが、日本の文化を感じられたのでとても良かったです。 レベッカ:高野市長に質問ですが、府中の未来をどのようにしたいか、市長のビジョンを教えてください。 高野市長:今日、皆さんとお話をさせていただいたように、外国の方も安心して暮らせる国際交流都市にしたいと思っています。国際交流サロンや多文化共生センターDIVE等で、外国の方が暮らしやすいようサポートしていきたいと思っています。 クシャール:どうして国際交流都市にしていきたいと思うのですか。 高野市長:色々な国の文化や言語の違いを知り、みんなが違う考え方を持っているということを理解すれば、困ったときにお互いを助け合うことができます。それは、府中市だけでなく世界の平和にもつながるはずです。皆さんと会って話をしていると、より強くそう思います。   あとは、都心のようににぎやかなまちというよりは、住むのにも仕事をするのにも良いまちであり続けたいなと思います。 ワン:これから外国人も暮らしやすいまちにするためにどのようにしていきたいですか。 高野市長:やはり外国の方にも優しいまちでありたいです。色々なサービスが外国語に対応したり、色々な言語が話せる人が市役所にいたり、あとはまちのなかで会ったら、「ハロー」や「ニイハオ」だったり、みんなが言い合えるようなまちにしていきたいです。小学校や中学校でもそういったことを教えていくことが大事だと思います。 レベッカ:とても良いことです。小さいときから外国の人と壁を作らずつながることはとても大事な経験だと思います。特に小さいときに違う文化の人と話す経験をすると、ずっと忘れないと思います。 高野市長:府中に住んでいて、今までに大変なこともあったかと思いますが、色々な話を伺えて、そして府中に愛着を持っていただいていることが分かって、とてもうれしく思いました。これから先も府中で何か困ったこととか、変えた方が良いことがあれば、ご意見を聞かせていただきたいと思います。   世界では戦争が続いていたり、胸を痛めるようなこともたくさんありますが、今年が平和でより良い世界になるよう、まずはここ府中市から、多文化共生に向けて歩みを進めてまいります。   本日はありがとうございました。 一同:ありがとうございました。 撮影協力:428cafe+(四谷2の41の3) 国際交流サロン  市内に住む日本人と外国人が交流を深め、共に楽しく生活していくことを目指し、日本語学習会や文化交流活動、生活情報の提供を行なっています。 場所:住吉町1の84 ステーザ府中中河原4階(男女共同参画センター「フチュール」内) 問合せ:電話352-4178(平日の午前9時〜正午、午後1時〜5時/金曜日は午後9時まで/土・日曜日、祝日、年末年始、フチュール休館日を除く) 多文化共生センターDIVE  外国人の生活面での困りごと全般の一次相談窓口として、情報提供やサポートを行うほか、多文化共生に関するイベント等を開催しています。 場所:宮町1の100 ル・シーニュ5階(市民活動センター「プラッツ」内) 問合せ:電話 319-0008(月〜土曜日の午前10時〜午後5時/外国人住民相談窓口は午前11時〜午後3時/年末年始、ル・シーニュ休館日を除く)