広報ふちゅう 令和7年(2025年)6月15日号、第2076号 立ち直りをそっと支える地域のチカラ 発行:府中市  編集:政策経営部秘書広報課  〒183-8703(個別郵便番号)府中市宮西町2の24 電話:042-364-4111(代表) FAX:042-366-1457 (府中市の市外局番は042) ホームページ:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/ 「広報ふちゅう」は毎月1日・15日発行 更生保護は“誰か”のためだけじゃない 誰もが安心して暮らせる社会をつくるために、私たちにできることがあります。 「更生保護」とは、犯罪や非行をした人が、もう一度社会の中でやり直せるよう支える仕組みです。 過ちを責めるだけでなく、立ち直ろうと努力する人を受け入れ、見守ること。それが未来を明るく照らす第一歩になります。 今号では、犯罪や非行をした人の立ち直りに向けた取組や、地域で活躍する方々を紹介します。 問合せ:地域福祉推進課(電話335-4161) 「社会を明るくする運動」を知っていますか?  社会を明るくする運動は、街頭広報活動やイベントの開催等を通じて、 皆さんに更生保護の理解を深めていただき、地域社会全体で支援の輪を広げることや、犯罪や非行を未然に防ぐ意識を持つことで、犯罪のない明るい社会をみんなで目指す運動です。 犯罪や非行をした人が抱える問題  国内で検挙された人のうち、約半数は過去に罪を犯した人です。犯罪や非行をしたことで復帰後の社会の中で次のような課題が生じ、それが原因となり再び罪を犯すケースが多く、社会復帰が難しい状況があります。 雇用の機会が限られる  前科があることで、企業側がリスクを考え、雇用の機会が限られてしまいます。 住居の確保が困難  出所者の多くは保証人がいないため、賃貸契約が困難です。また、住所がないと仕事探しも難しくなります。 困りごとの相談先がわからない  偏見や差別があり、地域社会に溶け込むことが難しくなります。さらに家族や友人との関係が断たれていることも多く、社会的に孤立しているため、相談相手がいない場合が多いです。 地域のたくさんの人たちが支援に関わっています  犯罪や非行をした人たちが出所後、社会的に孤立することなく立ち直り、社会復帰できるよう、多くの人たちが地域で活躍しています。立ち直りの支援にご協力いただける方は、東京保護観察所立川支部(電話042-521-4231)へご連絡ください。 更生保護ボランティア ・保護司 立ち直りを一番近くで見守る ・BBS会 様々な問題を抱える少年たちと、身近な立場で接する青年ボランティア ・協力雇用主 仕事を通して見守る ・更生保護女性会 非行少年の立ち直り支援を行う ・更生保護施設 社会復帰のための住まいを提供 保護司ってどんな活動をしているの?  保護司は、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支援する、法務大臣から委嘱された民間のボランティアです。 保護観察の支援  保護観察所と連携し、犯罪や非行をした人(保護観察対象者)と定期的に面談をして、生活指導や助言を行います。また、更生のための目標設定や、生活上の問題解決をサポートしています。 地域との連携・犯罪予防活動  街頭での広報活動等、地域住民に更生保護の理解を促す活動を行い、保護観察対象者の再犯防止と、犯罪のない地域づくりに貢献しています。 府中地区保護司会の保護司の方にお話を伺いました 野さん(保護司歴28年) 寄り添うことが人の成長につながる  保護司になったのは、義父の友人の保護司の方が定年を迎えるにあたり、お声掛けいただいたことがきっかけでした。当時、子育て中だったこともあり不安もありましたが、「人のためになるなら」と思い、お引き受けしました。  対象者との面談の際には、地域の身近な存在として接し、傾聴することやメリハリのある対応を心掛けています。また、面談時には必ず良いところを探し、1つは褒めるようにしています。面談を行っていく中で、約束が守れるようになったり、人の目を見て話せるようになったりするなど、成長が感じられる瞬間に関われることに、とてもやりがいを感じます。  保護司になり30年近く経ちますが、この間、保護司の役割は、社会の裏方的な存在から、地域の中で犯罪予防活動を推進する立場へと変わりました。市内の中学校で啓発グッズを配り、家庭で見てもらうことで、更生保護の理解を深めてもらったり、メディア等で取り上げられる機会も増えたりするなど、認知度が徐々に高まり、社会が変わってきていると感じられます。その一方で、新たな保護司の確保に苦慮しています。地域との関わりが実感でき、活動の中で多くの学びがあり、とてもやりがいのある活動です。皆さんも保護司として一緒に活動しませんか。ご参加をお待ちしております。 真鍋さん(保護司歴1年) 仕事と両立しながら立ち直りの支援の道へ  保護司になったきっかけは、現在の府中地区保護司会の会長と面識があり、お誘いを受けたことでした。まだ保護司になって日が浅いのですが、対象者との面談では、初めの数回を先輩の保護司との2人体制で行ったので、先輩の面談の様子を見ながらどのように話したら良いか学ぶことができました。  面談は月に2回程度あり、その間の生活の様子や家庭の状況等を聞いたり、毎回課題を提出してもらったりすることで様子を見ています。対象者と話す際は、相手を尊重しつつ、同じ過ちを繰り返すことのないように気に掛けながら接しています。  保護司の活動は、面談のほかにも、会議や研修、広報活動等の様々な活動があります。仕事とうまく両立しながら、継続して活動し、少しでも再犯が減るような社会にしていきたいです。また、様々な活動を通じて、多くの市民に犯罪の予防を呼び掛けることで、誰もが暮らしやすい社会の実現につながればと願っています。 7月は社会を明るくする運動の強調月間です 市では、同運動を推進するため、府中地区保護司会や府中地区更生保護女性会等の協賛団体の協力のもと、街頭広報活動や推進大会を開催します。 ■街頭広報活動  日時:7月1日(火)午後4時半〜5時半 場所:けやき並木通り 内容:啓発物品の配布ほか ■推進大会 日時:7月11日(金)午後3時 場所:市民活動センター「プラッツ」 定員:先着80人 費用:無料 内容:都消費生活総合センターによる出前寄席(@落語「こんな手口にご用心!」、Aコント「親分子分の振り込め詐欺珍道中」) 出演:@回路亭しん劇、Aいち・もく・さん 申込み:7月4日(金)までに、地域福祉推進課(電話335-4161)へ ■立ち直り応援基金  〜一人ひとりにできる立ち直り支援のかたち  同基金は、犯罪や非行をした人の立ち直り支援に賛同してくださる方々の思いと、更生保護の活動とを結び、新たな被害者も加害者も生まない、安全・安心な地域社会の実現を目的とした基金です。寄付金は、全国の立ち直り支援活動に使用されます。  詳細は、法務省のホームページをご確認ください。 皆さんのご理解・ご支援をお待ちしております  犯罪や非行をした人の立ち直りに向けた取組は、私たちが暮らす地域の中で行われています。これらの取組が地域の中で行われていることについて、地域の皆さんにご理解いただくことが、対象者の社会復帰や犯罪・非行のない地域づくりにつながります。  この運動を通して、更生保護について知り、安全・安心な地域社会を実現するために、取組への皆さんのご理解・ご支援をお願いします。