広報ふちゅう 令和7年(2025年) 9月15日号 第2082号 ようこそ 府中市美術館へ 発行:府中市 編集:政策経営部秘書広報課 〒183-8703(個別郵便番号) 府中市宮西町2の24 電話:042-364-4111(代表) FAX:042-366-1457 (府中市の市外局番は042) ホームページ:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/ 美術をもっと身近に 問合せ:府中市美術館(電話336-3371)  府中市美術館は、「生活と美術」をテーマに、市民が日常の中で美術を身近に感じられるよう、平成12年に都立府中の森公園の一角に開館しました。  館内には、企画展やコレクション展を行う展示室、市民等が作品を展示できる市民ギャラリーのほか、美術図書室、ミュージアムショップ、カフェ等があります。  また、アーティストの作品制作風景を見ることができる公開制作や、様々な素材・技法を使って作品を制作できるワークショップ、市立小・中学校を対象とした美術鑑賞教室の開催等、教育普及活動に力を入れています。 美術作品の楽しみ方 美術館と聞くと、「敷居が高い」「楽しみ方が分からない」という方もいると思います。 ここでは、美術作品の楽しみ方について、学芸員の松尾さんにお話を伺いました。 鑑賞する時は、壁に並んだ作品全てを順番通りに見なくても大丈夫です。 気になる作品を見つけた時だけ足を止めてじっくり見たり、ざっと最後まで見てから好きなものに戻ったりすることもできます。 美術作品には、「こう見てこう感じなければいけない」という決まりはありません。 また、一つの作品でも見る人や見る時期によって受け取り方が変わることもあります。 そのため、一緒に来た人と感想を言い合うと互いの新しい一面に気づくことがありますし、若い頃に見た絵に、定年を迎えて再び出会い直す、という方もいます。 もちろん作家の人生や時代背景を知ることで、作品を深く味わう楽しみはどこまでも尽きません。 美術館や博物館での鑑賞が、心身の健康に役立つという研究結果も明らかにされています。 学芸員 松尾さんのお気に入り作品 児島善三郎「松」(1938年頃)  画面の高さいっぱいに描かれた松の木。左右に広がる枝と、枝先の葉に付いた点や線の模様が軽やかなリズムを生み出しています。筆の動きもおおらかで、見ているとなんとも楽しい気持ちになります。 展示の裏側・魅力  府中市美術館には、「企画展」「コレクション展」の2つの展示があります。企画展は、特定のテーマや作家、時代等に焦点を当て、期間限定で開催する展示です。コレクション展は、当館が所蔵する約2400点の作品の中から様々なコンセプトに合わせて行う展示です。ここでは、これらの展示の疑問や見所について、学芸員の大澤さんにお話を伺いました。 Q1:企画展やコレクション展は誰が企画しているの? A1:当館の学芸員が企画しています。学芸員は、企画展に向けて江戸時代から現代まで、様々な担当分野の調査を行い、展示の内容を検討していきます。その他にも、チラシやポスター等の作成やイベントの準備、企画展に沿ったコレクション展の内容を考えるなど、展示に関わる様々な仕事をしています。 Q2:企画を考えるうえで大切にしていることや府中市美術館の展示の魅力は? A2:当館ならではの展示となるよう、多くの企画展をゼロから考えています。過去の展示とのつながりを大切にしながら、意外な視点や新しい切り口で企画を考えることを意識していて、「目の付け所が独特だね」という声もよく頂いています。また、様々な分野の企画展を作り上げるので、企画展ごとに展示室の雰囲気も大きく変わりますし、企画展に合わせてコレクション展も変更するため、何度来ても楽しめるというのは当館の大きな魅力の一つです。 Q3:企画展の会場はどのように作っているの? A3:当館で所蔵していない作品を展示する場合は、所蔵している美術館等から借用して作品を集めます。作品を運ぶ際は、美術品の運搬・展示を専門とする業者へ依頼し、学芸員も作品の状態の確認のために現地へ赴き、作品と一緒に移動します。その後、作品を並べる順番や間隔、高さ、光の当て方等を学芸員が指定しながら、約3日間かけて全て展示していきます。同じ展示室でも、企画展によって大きく雰囲気が変わります。 Q4:9月20日(土)からの企画展「フジタからはじまる猫の絵画史 藤田嗣治と洋画家たちの猫」やコレクション展の見所は? A4:企画展では、洋画家の藤田嗣治からはじまる日本の洋画家たちの多彩な猫の作品の数々を展示します。コレクション展では、当館のコレクションの中から名品たちを展示します。今年度新たに収蔵された岸田劉生の作品も初公開となります。展覧会や公開制作といった当館の活動とも関わりながら積み重ねられてきたコレクションをお楽しみください。 企画展の詳細は、16ページをご覧ください   ここにも注目!美術館を支える人 看士員 初本さん 作品を守りながらも、皆さんが楽しめるよう配慮しながら、展示室で見守る仕事をしています。 「看士員」は、見守りを大切にした当館独自の名称です。 初本さんからのメッセージ 小学生が作品を見て「感動した」と言ってくれた時は特にうれしかったです。当館は公園の中にあるので、四季折々の風景も楽しみつつ、実物の作品を見に来てください! 設備運転員 御前さん 繊細な作品を守るために、館内の温度・湿度を24時間一定に保てるよう、設備の運転・点検の仕事をしています。 御前さんからのメッセージ 温度は0.1℃単位、湿度は1%単位という細かい調整により、温度・湿度を一定に保っています。館内は1年を通して快適なので、いつでも気軽にお越しください! この他にも清掃員や受付員等、たくさんの方が美術館を支えています! ミュージアムショップ、カフェ ミュージアムショップでは、絵はがきや図録を販売、カフェでは、ドリンクやランチを提供しています。また、企画展にちなんだグッズやメニューもあります。 美術の楽しみ方は十人十色。 ご自身の感性を信じて美術を楽しんでください! 皆さんの来館をお待ちしています!