開催概要
展覧会名 | 池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて |
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会期 | 2021年12月18日(土曜日)~2022年2月27日(日曜日) |
休館日 | 月曜日(1月10日は開館)、12月29日(水曜日)から1月3日(月曜日)、1月11日(火曜日)、2月24日(木曜日) |
開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
会場 | 府中市美術館2階企画展示室 |
観覧料 | 一般 700円(560円) |
主催 | 府中市美術館 |
お問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
展覧会について
《Knotted Thread-red-Φ18cm-Φ360cm》
池内晶子の美術館での初個展です。
池内は絹糸をつないで帯や紡錘状のかたちをつくり、空間にはりめぐらして、周囲の空気を含みもつ作品を発表してきました。糸のみを用いて造形するミニマムで繊細な作品には一方で、絹糸という素材の持つ歴史や文化的背景、展示会場の場所性など、外部との多様な関わりが織り込まれています。1980年代末より活動をはじめ、近年は東京都現代美術館、国立新美術館のグループ展や新潟での芸術祭に参加するなど活躍しています。
今回は展示室を大胆につかい、ほぼ現場での制作による新作を発表します。池内は事前に美術館とその周囲をリサーチして場所の特性を受けとめ、この場でしか生まれえない空間を、丁寧な手仕事により準備しています。しなやかで力強い世界に出会う、またとない機会となることでしょう。
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《Knotted Thread-red-Φ18cm-Φ360cm》
2016-2017年 silk thread gallery21yo-jでの展示
撮影:椎木静寧 Courtesy of gallery21yo-j
みどころ
《May 13 2019》 2019年 木綿糸
糸による、しなやかで繊細な空間
池内晶子は絹糸をつないで帯や紡錘状をかたちづくり、はりめぐらして、周囲の空気を含む持つしなやかな空間を生み出します。宙吊りにされた糸の姿は、光を抱え込んで
あわく輝き、畏怖さえも感じさせます。絹糸は糸の重さと張りによって、また空間内の人の移動
や湿度の変化によって、揺れ、伸縮します。その繊細な呼吸運動は、池内の感性のひだそのものです。
絹糸を結ぶこと
池内が作品に糸を用いたのは1988年のこと。以来、糸との丁寧な対話は、34年の間つづけられています。
はじめはポリエステルや綿など、色々な素材の糸を使っていましたが、次第に絹糸に絞られていきます。そして絹糸は編むのではなく、結んでは切ることを繰り返しています。結ぶ行為は池内にとってとても重要です。糸を結ぶことには「縁を結ぶ」という意味が込められています。この行為は、池内自身や家族の記憶との、あるいは社会との、あるいは「地球や生物が誕生した時代からずーっとつながっている自然の意思のようなもの」とのつながりを、象徴的にあらわしているのです。
《Knotted Thread-52knots-north-south-catenaryh330cm》
地のちからをあつめて
池内は事前に展示会場のつくりや周辺の地理、歴史的特徴を調べ、作品を置く方向などについて周辺の環境に合わせて決めます。例えば府中市美術館は2階建てで、観客は1階の入口から2階の展示室へと移動し、また1階へと降ります。観客が体験する身体の上下の移動が、美術館の南を流れる多摩川によってつくられた高低差のある地形の特徴に重ねられて、作品が構想されます。周囲からのエネルギーは、か細い絹糸を伝わり集められます。その空間に私たちが立った時、互いの呼吸運動を介して糸と自分たちの存在を認め、さらには集合した地のちからを感じ取る、そのような体験が生まれることでしょう。
美術家とともに進む美術館
池内晶子は調布と稲城で育ちくらす、多摩ゆかりの美術家です。1980年代末より活動を始め、近年は国立新美術館のグループ展や新潟での芸術祭に参加するなど、全国区で活躍しています。
繊細な作品を大きな空間に展開することは、美術館としても新たな挑戦です。素材との長い年月をかけた関係づくりは、速さや便利さを是とする私たちの価値観に、異議を投げかけているようにも見えます。私たちに気づきを与え、地域の芸術文化をみつめ直す機会となるような展覧会を、美術家とともにつくっていきます。
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《Knotted Thread-52knots-north-south-catenary-h330cm》
2015年 silk thread gallery21yo-jでの展示
作家蔵
撮影:椎木静寧 Courtesy of gallery21yo-j
関連企画
池内晶子と絹糸の関わりが、トークとパフォーマンスで明らかにされます。
《Knotted Thread-red-Φ18cm-Φ360cm》
アーティスト・トーク
日時:2022年1月16日(日曜日)、2月5日(土曜日)いずれも 午後2時から
会場:企画展示室 (要観覧料)
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《Knotted Thread-red-Φ18cm-Φ360cm》
2016-2017年 silk thread gallery21yo-jでの展示
撮影:椎木静寧 Courtesy of gallery21yo-j
パフォーマンスの様子「Reflection:返礼ー榎倉康二へ」展にて 2015年
パフォーマンス
日時:2022年2月26日(土曜日) 午後2時から
会場:企画展示室 (要観覧料)
池内晶子が、展示作品に手を入れて大きく変化させます。26日
午後と27日はパフォーマンス後の状態の作品公開となります
鑑賞教室などのお知らせ
下記日程に、小学生の団体鑑賞が予定されています。
なにとぞご理解、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
<時間帯>
午前: 10時から12時頃 午後: 1時から3時頃
<日程>
12月21日(火曜日)午前・午後
1月18日(火曜日)午前・午後
1月20日(木曜日)午前
1月21日(金曜日)午前・午後
1月25日(火曜日)午前
1月27日(木曜日)午前・午後
1月28日(金曜日)午前・午後
2月8日(火曜日)午前
2月9日(水曜日)午前
2月15日(火曜日)午前・午後
2月25日(金曜日)午後
池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて 展覧会紹介動画
池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて 展覧会紹介動画(外部サイト)
池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて 展覧会チラシ
池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて チラシ (PDF:3,039KB)
同時開催
常設展
「『あのとき』からの美術」
「府中・多摩の美術探訪」ほか
公開制作83 岩井優「ハウツー・クリーンアップ・ザ・ミュージアム」
2021年12月18日(土曜日)~2022年2 月27日(日曜日) 観覧無料 公開制作室
アクセス
- 京王線東府中駅北口から
徒歩 17分
ちゅうバス府中駅行き「府中市美術館」下車すぐ(8:05から30分間隔で運行、運賃100円) - 京王線府中駅から
ちゅうバス多磨町行き「府中市美術館」下車すぐ(8:00から30分間隔で運行、運賃100円)
京王バス武蔵小金井駅南口行き(一本木経由)「天神町二丁目」下車すぐ
京王バス武蔵小金井駅南口行き(学園通り経由)「天神町幼稚園」下車徒歩8分
京王バス国分寺駅南口行き(東八道路経由)「天神町幼稚園」下車徒歩8分 - JR中央線武蔵小金井駅南口から
京王バス府中駅行き(一本木経由)「一本木」下車すぐ
京王バス府中駅行き(学園通り経由)「天神町幼稚園」下車徒歩8分 - JR国分寺駅南口から
京王バス府中駅行き(東八道路経由)「天神町幼稚園」下車徒歩8分 - お車の場合は、美術館近くの府中市臨時駐車場(無料、54台収容)をご利用ください。