中河原駅北口再開発

事業の経過

京王線中河原駅は、府中市の西南部に位置し、南は多摩川、北には中央高速道路が走っている。
再開発前の中河原駅周辺は、都道18号線が南北に走っていましたが、駅前広場がないことや、住居・店舗が混在し、木造老朽家屋が多く、外周道路も狭いなど都市防災の観点からも早急な整備の必要性が高く、その立地条件から、周辺地域のコミュニティの中心としての整備が望まれていました。
また、タクシーは都道の端でお客を待ち、バスも停まる所がないような状況で、地元住吉町をはじめ、日新町、四谷、分梅町、南町地区の市民は日常生活において足の不便を感じる毎日でした。
そのような中、駅前に居住する方々が、地域の発展と市民生活の向上を目的に、昭和59年10月に駅前再開発事業の準備組合を設立し、事業がスタートしました。
権利者は長い間住み馴れた土地であり、そこから離れるのは大きな抵抗もありましたが、地域発展のため快く理解していただき、平成元年1月組合設立に至りました。
事業地区内には多くの方々が住んでいましたが、近くに代替地を確保し、全ての方々に移転していただきました。
その後、平成5年3月には、いよいよ施設建築物に着手、国、東京都、府中市が支援し、平成7年2月にオープンしました。

京王線中河原駅周辺は、近くにNECや東京エレクトロン等のハイテク企業があることから、コンピュータソフト関連の企業も数多く進出し、駅の乗降客も増加しています。
住吉町の人口は、平成13年1月現在、9,924人で10年前と比較すると、652人、7.0パーセント増加しています。
また、事業所の従業員数では、平成11年1月1日現在、7,718人で、再開発前の平成3年1月1日と比較すると、1,788人と大幅な増加を示しています。これは、府中市全体の伸び率マイナス10.8パーセントを大幅に上回る30.2パーセント増という驚異的な数字となっており、若者の就業者も増加しています。
駅前再開発事業により、駅の乗降客数、周辺の従業員数等の面から、この地区が活力のあるまちに生まれ変ったことが明らかのように、再開発ビルを核として年々発展しています。
また、駅前広場の完成により、地元住吉町はもとより、周辺地域の方々も、日常生活の中で交通の利便や生活用品の確保等の面で、計り知れない効果を挙げています。
経済状況が厳しい中、キーテナントの「ライフ府中中河原店」を始め、1階に出店した地域店舗を含め、市民に愛され、市民の生活をサポートすべく日々頑張っています。
21世紀に入り、これからもハイテク企業を中心とした活力のあるまちづくりに向かって、輝かしく進んでいます。

1．事業名

中河原駅北口地区第一種市街地再開発事業

2．施行地区

府中市住吉町一丁目地内

3．施行者

中河原駅北口地区市街地再開発組合

4．施行地区面積

約1.2ヘクタール

5．主な経緯

（1）準備組合の設立　昭和59年10月7日
（2）都市計画決定　昭和63年1月14日
（3）組合設立認可　平成元年1月25日
（4）権利変換計画認可　平成3年3月27日
（5）本工事着手　平成5年3月23日
（6）施設建築物完了　平成7年1月31日（完了公告　7年2月1日）
（7）再開発ビルオープン　平成7年2月2日
（8）公共施設工事の完成　平成7年3月
（9）再開発組合解散認可　平成8年3月19日

6．施設計画等

＜1＞施設建築物整備（延べ床面積　25,028平方メートル
（1）店舗
・地下1階から地上2階　床面積　10,583平方メートル
核店舗のライフ及び専門店の出店
（2）住宅
・地上5階から地上12階　床面積　7,362平方メートル　77戸
（3）女性会館
・地上4階　床面積1,834平方メートル　市が保留床取得
（4）業務
・地上1階から地上2階　513平方メートル　マインズ農協
（5）駐車場
・地上3階から4階　4,736平方メートル及び屋上に自走式で127台設置

＜2＞道路整備　　　　　　　
府　3－3－8号線（府中所沢線）　一部拡幅整備及び3,500平方メートル交通広場の設置
主要地方道18号線（府中町田線）　一部拡幅整備
市道4－242号　一部拡幅整備
市道4－256号　拡幅整備
市道4－257号　拡幅整備

7．総事業費

約139億円

8．権利者数

合計73名
土地所有者23人、（権変21人、転出2人）
借地権者5人、（権変2人、転出3人）
借家権者45人、（権変（再入居5人）、転出（実質40人））

9．参加組合員

野村不動産（住宅保留床の購入）

10．キーテナント

株式会社　ライフコーポレーション