友好都市ウィーン市ヘルナルス区だより「野生動物の新しい住みか」(平成25年5月1日広報掲載)
最終更新日:2016年3月30日
ウィーンは、多くの人々を引きつける魅力のある街ですが、近年では、山林地域の開発などにより住む場所が減った野生動物にとっても、隠れ家となる建物が多いことやえさに困らないことが魅力となっているようです。
環境への適応能力に優れ、人間にも慣れて怖がらなくなったことで、本来は街で見ることができない野生動物を目の前で見ることができるようになりました。
チョウゲンボウ
イノシシ
ノロジカ
オーロックス
チョウゲンボウが見下ろす旧市街
崖や岩場に巣を作るチョウゲンボウにとって格好の住みかとなっているのは、ウィーンの街の建物です。近年では改築が進み、巣を作ることのできる建物が減っているため、チョウゲンボウはバルコニーや窓枠に巣を作るようになりました。
鳥類とその生息環境の保護を目的に活動する環境NGOのバードライフ・オーストリアの調査によると、ウィーン市内では400組ものチョウゲンボウのつがいが確認されています。しかし、どのようにしてえさを見つけ、相手を得て、ひなを卵からかえし、育てているのかは、明らかになっていません。
チョウゲンボウはドイツ語で「塔のハヤブサ」という意味です。これは、鳥たちが何百年にも渡って、教会の尖塔やそれに似た塔に巣を作ることに由来すると進化生物学者は説明しています。ウィーンで最も有名なシュテファン寺院も、現在では観光名所としてだけではなく、チョウゲンボウの生息場所としても有名になりました。
ウィーン市17・18・19区の野生動物
ヘルナルス区を含むウィーン市17・18・19区では、隣接するドナウ運河沿いに200組以上のビーバーのカップルが生息しています。
17区のヘルナルス区では、特にノイバルデック地区でキツネやアナグマ、ムナジロテン、ハリネズミ、ウサギ、そしてノロジカなどに出くわすことが多く、ウィーンでは、一見、相反する都会と自然が見事に調和しているのです。
(ヘルナルス・府中友好協会)
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