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セザール・ド・コック《12月のノルマンディー風景》

最終更新日:2020年7月17日

セザール・ド・コック「12月のノルマンディー風景」

セザール・ド・コック 12がつのノルマンディーふうけい
1889年 キャンバス、油彩
47.2センチメートル×68.3センチメートル

 ノルマンディーの長閑な牧草地のなかに牛たちが佇んでいます。その中央の一頭がかわいらしくこちらを見つめています。12月の張りつめた寒空の中、雲間から差し込む柔らかな光は、草木の緑をもっとも美しく見せます。
 作者セザール・ド・コックは、1823年ベルギーの古都ゲントに生まれ、兄クサヴィエ (1818-1896)と同じく、ゲント美術アカデミーに学びました。その後、兄と共にパリそしてバルビゾンで制作を始めます。その地で、コローやディアズ、ドービニーといったバルビゾン派の画家たちと親しく交わることとなります。バルビゾン派の画家たちの中でも、兄弟に特に強い影響を与えたのは、コローとドービニーであると言われますが、当時の批評家ブージェは兄弟の差異を次のように表現しています。「セザールはコローであり、クサヴィエはドービニーである。弟はより繊細で、詩的であり、兄はより堅固であると同時に激しく情熱的である。」1860年代に、故郷に戻った兄弟は、リス川近くで風景画を多く制作し、ラーテム派と呼ばれるベルギーにおける芸術家コロニーの形成に先駆者的役割を果たしました。彼らの柔らかな光の表現は、ベルギー印象主義を予見しています。やがてそれは、光の探求に魅せられた陽光派(ルミニスト)たちに受け継がれていきます。バルビゾンというフランスの芸術家コロニーで、多くの影響を受けた彼らが、故郷ベルギーで新たに芸術家コロニーを築いたことは大変興味深い点です。なお、このラーテム派は、世代を経てベルギー近代絵画において重要な役割を担うグループへと成長していきます。

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