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2021年9月11日号市長コラム103「まだ戦後だった」

最終更新日:2021年9月11日

まだ戦後だった

府中の森芸術劇場と航空自衛隊府中基地(こうくうじえいたいふちゅうきち)の間を通る平和通りを北に向かうと、正面右に高い鉄塔(てっとう)が見えてきます。高さは100メートルぐらいでしょうか。もちろん市内各所からも確認できますが、あまりにも見慣れた景色のため目に留めることは少ないかもしれません。しかし今回はここに注目。それは、この通信鉄塔(つうしんてっとう)が今月末までに米軍から国に返還されると先月開催された日米合同委員会(にちべいごうどういいんかい)で決まったからです。


戦時中、この周辺は日本の旧陸軍の燃料廠(ねんりょうしょう)(石油の研究所)でした。昭和20年、アメリカに接収(せっしゅう)されて米軍府中基地となり、最盛期(さいせいき)には2千人を超える米軍関係者が利用していました。一部用地の返還を経て、昭和50年、この通信鉄塔を除く用地が国に返還され、現在は、国、都、市がそれぞれ利用し、約15ヘクタールを留保(りゅうほ)しています。しかし、この通信施設関連の土地については(いま)だ返されていない、いわば「戦争直後のまま」だったのです。


都内最大級の廃墟(はいきょ)ともいわれる米軍施設跡(べいぐんしせつあと)を含む留保地(りゅうほち)の利用について、本市では市民の皆様にも多くのご意見を頂戴して利用計画を策定し、昨年3月、国へ提出しました。しかし、今回返還が決まった部分は、もちろん空白のままです。新しい未来を(ひら)くこの地域のまちづくりについては、この空白を解消する必要があります。そして、歴史的背景も踏まえて、平和と地球、健康と暮らし、文化とスポーツという視点から、さらに検討を続けなければならないと思っています。

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