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2014年8月11日 市長コラム29 「慈愛」

最終更新日:2014年8月11日

慈愛

私の父の兄、つまり伯父は昭和21年2月にシベリアで亡くなりました。満州で捕虜になり、過酷な労働、飢えと寒さで次の春を迎えることができなかったのです。同僚の方がわざわざ我が家を訪ね、故人の髪の毛と爪を持ち帰っていただいたそうですが、未だに遺品はそれだけ。先日、その葬儀の写真を偶然見つけました。白黒の古ぼけた(ふるぼけた)写真ですが、お供物から家族の深い悲しみを知りました。

昨年の8月初旬、人類が広島・長崎の被爆の悲劇を二度と繰り返すことのないよう、世界各国の都市と力を合わせて、核兵器の無い平和な世界の実現を目指す平和首長会議の総会に出席。核保有国も含め多くの方が来られていて、会議終了後には皆で原爆死没者慰霊碑に献花し、世界平和の実現を祈りました。総会は4年に一度なので今年は行きませんでしたが、府中から同じ祈りを捧げたのは当然のことです。

今年、生誕200年を迎えたフランスの画家ミレー。市制施行60周年とあわせ、9月から10月にかけて府中市美術館で企画展を行います。ミレーの生きた19世紀もヨーロッパでは革命と戦争が繰り返されました。敬けんな(けいけんな)カトリック信者の祖母に育てられたミレーの崇高な慈愛が、全ての作品に込められていると思います。愛しきものたちへのまなざしから平和への願いを感じてください。

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