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横尾忠則公開制作プロセス

最終更新日:2012年2月24日

急に冬らしくなった12月のよく晴れた日に、横尾忠則さんの公開制作が始まりました。
横尾さんの絵画制作の様子をご紹介していきます。

初日 12月13日(火曜日)

お昼前に来館された横尾さん。この日の題材を、ご自身で撮られた写真から選びます。
午後1時すぎから制作がスタートしました。150号のキャンバスにむかい、黒の油絵具で下描きをしていきます。先に選んだ写真を片手に、ざっざっと、迷いなく筆を進めていきます。次いで、茶色、黄土色の絵具で建物や空を塗っていきました。
休みなく描き続けて1時間半ほどで、Y字路の風景が現れました。恐るべき集中力です。観客も固唾をのんで、絵の行方を見守っていました。

横尾さんにとっても、早く制作が進んでしまったようで、残りの時間は質問を受けましょう、と気さくに声をかけられました。ひとつひとつの質問に丁寧に答えていらっしゃいました。
次はこの絵をどう壊していくかだ、と、横尾さんは帰り際に言われていました。横尾さんのイメージはどこへたどり着くのか、次回が楽しみです。

12月20日(火曜日)

1週間ぶりに来館された横尾さん。場所が公開制作室前の市民ギャラリーに移動し、広くなって描きやすくなった様子。平日にかかわらず、多くのお客様がみまもります。
途中で横尾さんの方から、客席をパチリ。ご自身のブログに載せるそうです。
立ったり座ったり、左右にも動いて、画面の細部に手を入れていきます。迷いなく細い筆を絶え間なく動かし、重厚な色調が生まれていきます。

左上に「450」の数字があらわれました。「横尾(よこお)」のサインでしょうか。しっかり描き、質疑応答にもしっかり答えて、2日目の制作が終了しました。

12月22日(木曜日)

今日も大勢のお客様がいらしています。ベレー帽姿で登場された横尾さん。「今日見ると完成に近付いている気がする」、とおっしゃって、すっと仕上げに取りかかります。この集中力には圧倒されます。白い絵具の「450」を消すようにして、画面全体に馴染ませます。しばらく描いた後、新しい絵に取りかかります。
キャンバスの位置を移動して、新しいパレットに新しい絵具を出します。前のパレットの絵具も移します。
最初に緑色を大胆に白いキャンバスの中心に塗りました。突然現れた色面にどきりとさせられます。その後、Y字路の風景を、やはり写真を見ながら描いていきます。

ぐんぐん描き進めていきます。ドラマティックに変化する画面に、ただただ見とれるばかり。
あっという間に4時過ぎとなり、予定時間を大幅に超えての、集中した制作が続きました。

12月23日(金曜日)

今日は違うベレー帽の横尾さん。昨日から始めた絵にさっそく取り組みます。
左右の建物を時間をかけて描きこんでいます。

と、空に丸い色面が。雲でしょうか。この雲は、空全体を埋めていきます。
途中休憩と質疑応答を少し挟んだほかは、ほとんど筆を動かしていた横尾さん。「思っていたより手ごわい絵になった。まだ完成までかかりそう。」と言い残して去っていかれました。

予定の公開制作はこれで終了しました。
横尾さんは年明けにも、1月15日(日曜日)をはじめとして、数日の公開制作を計画されています。ただし、日程につきましては、横尾さんのご都合により変更の場合もありますので、ご了承ください。

1月14日(土曜日)

お正月を挟んで、ほぼ3週間ぶりに、横尾さん登場です。間が空いたのでペースがつかめるか、横尾さんも心配なご様子。会場も、エントランスロビーに移りました。
急な告知にもかかわらず、たくさんの方がいらして、会場は熱気にあふれています。
1時前から制作開始。まず、正面の建物をレンガづくりにしていくため、レンガの積み目を描き込んでいきます。やがて、その積み目が、隣の建物、そして地面へと広がっていき…。
休憩を挟んで、新しいキャンバスに取りかかります。新しいY字路の写真を手もとに、ぐいぐいと描いていきます。黒、茶、黄土、グレーの色面でくっきりと分けられた空、建物、そしてY字路があらわれました。地面には、前の絵とつながる、マンホールのような丸い穴も描かれていました。

1月15日(日曜日)

引き続いて、集中して描いていく横尾さんです。建物と地面に、レンガの積み目を描き込んでいきます。中央の建物には大きく「450」と「横尾(よこお)」のサインが入ります。さらに、奥行きのある空間を閉じ込めるかの様に、画面全体に茶色い線で積み目を描きました。閉館時間の5時ぎりぎりまで、集中して仕上げました。

公開制作について、横尾さんはツイッターで次の様につぶやいておられます。
「公開制作の会場の熱気は格別だ。この観客の熱気でぼくは描かされているように思う。アトリエでは自らが熱気を自家発電しなければならない。その点公開制作は他人の運転する車に乗っているようなものだ。」
横尾さんは、2月の週末に一度公開制作されるとおっしゃっていました。決まりましたら、お知らせします。

また、3点の完成作品を公開制作室で展示しています。毎週日曜日の午後1時から5時は部屋を開け(あけ)、ガイドによる解説も行います。制作の様子を記録した映像も上映しています。ぜひお寄りください。

2月11 日(土曜日・祝日)

快晴の祝日。たくさんの観客が見守ります。真っ白いキャンバスを前に、横尾さんも少し緊張した面持ちです。

これまでと同様、Y字路の風景を手速く(てばやく)描いていきます。建物はレンガ造りです。これは府中市美術館での公開制作で生まれたモチーフのようです。

建物や空、地面にレンガの積み目を描き、そこに生まれる面を隣り合う面とどうあわせていくかという空間処理に、時間をかけて取り組んでいました。西日が差し込み、横尾さんの影が、絵の登場人物のように見えました。

2月12日(日曜日)

最終日ということで、たくさんの(かた)がいらしています。昨日と同じ顔もちらほら。さっそく続きにとりかかります。

途中で絵を逆さ(さかさ)にし、キャンバスのコーナー、つまり右上(かた)部分に人物を描き込んでいます。手にしているのはミレーの画集。どうやらミレーの絵の中の人物を描いているようです。
人物は左下にも加えられました。離れて見て、絵の完成を判断します。

前回描いた作品が気になったと、別の作品に手を加え始めました。建物の壁の数字を塗りつぶし、大きな円を、大胆に描きこみます。しばらく手を入れて、完成となりました。

今度はもとの絵が気になってきた、と再び絵を入れ替えて、しばらく見つめます。やっぱり完成しているわ、と、突如公開制作が終了しました。

最後に観客からの質問にこたえ、そのうち閉館時間が迫ってきて、時間切れとなりました。会場にいた皆さんから、絵の誕生を祝うあたたかな拍手が、横尾さんに送られました。横尾さん、ありがとうございました!

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