夏休み自由工房「つくってみよう!手のひらサイズの小さな世界」記録(2020年8月)
最終更新日:2020年12月25日
2020年の夏休み、アートスタジオは半年ぶりに対面でのワークショップを開催しました。
講師紹介
彫刻家 馬塲 稔郎(ばばとしろう)
毎年、子ども達にわくわくしながら自分だけの世界を作ってもらえたらと思い、企画を練っております。
木工道具の安全な使い方をお教えすると、子ども達の想像力から、木という素材の特徴が生きた立体作品が生まれています。
今後も、家族や友達と一緒に木工工作を体験することができる、子どもの学びの場を育てていきたいと思います。
彫刻家 大迫 春菜(おおさこはるな)
開催概要
開催日
2020年8月22日(土曜日)・23日(日曜日)
時間
午前10時半~12時半(120分)
対象
小中学生(小学3年生以下は保護者同伴)
内容
木材などを使い、自分の好きなものをミニチュアサイズで作る。
講師
馬塲稔郎・大迫春菜(彫刻家)
参加者
子ども14名(保護者8名)
当日の様子
感染予防対策に関する注意点などを確認し、いつもよりゆったりとした空間ではじまりました。美術館は資料保存の観点から、防虫や温湿度の管理も行うため、換気には工夫が必要でした。換気扇と対角側の窓を開け、送風機を活用しました。 1テーブルの人数を半数とし、道具類の共有を避けました。
講師のお二人の参考作品の紹介です。
講師の馬塲さんの参考作品は、「自由工房」と文字入りのミニチュアテーブルです。よくみればみるほど、細かなところまでつくり込まれており、ミニチュアの世界への憧れが膨らみます。
大迫さんの参考作品は、可愛い動物です。 釘やノコギリなど、複雑な道具を使わずにつくった作品と紹介されました。工夫次第で、どんなものでもつくれる気がしてきます!
次に、道具の紹介です。
クランプを使って木材を固定する方法や、
ノコギリで木材を切る方法と注意点について、実演されました。
糸ノコギリを使えば、曲線に板を切り抜くこともできます。 有機的なかたちもつくることができると、アイディアの幅が広がります。
キリで穴をあけると、釘を打つ位置が正確になります。カッターマットなど滑りにくいシートの上に板を置き、その上に穴を開けたい木材を置きます。貫通した時にキリの先端を受け止めてくれます。
トンカチで打つ時は、平らな面を釘に打ちつけます。 打ち込んだ後で、木材に釘を埋め込みたい時は膨らみのある面を使います。
トントントン・・・
大迫さんからは、接着に使用するグルーガンなども紹介されました。
グルーガンを使用する際は、やけどに注意。
いろいろなかたちの木材から、なにをつくろう? 材料コーナーから、使いたい材料を選びます。
木を立てて置いてみてみると、木の存在感がより感じられます。
光のあたり具合によっても、印象が違ってみえます。
主に使用された道具です。 グルーガン、クランプ、糸ノコギリ、定規、ノコギリ、キリ、はさみ、トンカチ、ラジオペンチ、釘抜き、鉛筆、カッターマット等。
材料には、薄いベニヤ板や、
マッチ棒や割り箸、竹串といった棒状の木材もあります。
色々なサイズの釘や、ヒートン、割りピン等。
色とりどりの毛糸もあります。
丁寧に釘を打ちつけます。難しい釘の打ち方に挑戦です。
美しい形に仕上がりました。何度も調整を重ね、長さを揃えたテーブルの足は、しっかりと地についています。
ノコギリで切り込む先を真剣に見つめ、集中しています。
切り込みはじめや小さなパーツは、細かな刃で切ります。切っているうちに、だんだんノコギリの扱いが洗練されています。
素朴なデザインだからこそ、丁寧に切った断面の美しさが生きています。木の良さが引き立つ作品です。
色々な形の木を組み合わせ、体ができました。 四角い木片の角を切ったり、やすりをかけたりして、丸みをつくっています。
キリで穴を開けたところに、釘を打っています。
打ちつけた釘に毛糸を巻いて・・・
愛らしい表情の作品ができました。
背中にたくさん針の生えたハリネズミさん。 カラフルな毛糸が素敵ですね。
つくりたい物を具体的に考えてきた方もいます。 必要なパーツを、図面を書きながら考えます。
うーーーん・・・ 実際に組み立ててみると、パーツがぴったりと合わないこともあります。 その度に修正を加え、粘り強く、柔軟に向き合いました。
ミニチュア本棚の完成です! 図面を引き、こだわり抜いた部分が、完成度に現れています。 本の木目と色の違いがそれぞれの個性を引き出しています。
色々な木材の形を組み合わせながら、イメージをつくっていきます。 翼にぴったりと合うパーツはどれかな・・・
色のあるグルーガンを使って、模様が描かれました。 また、毛糸をぐるぐると巻きつけたり、貼り付けたりして、鮮やかな印象になりました。
仕上がり作品です。 最後まで、どの色が合うが吟味を重ねました。
下に釘を打つことで浮遊感が生まれ、今にも飛び立ちそうです。
糸ノコギリで切っていきます。 木材と切りたい形に合わせ、適切な道具を選んでいます。
キッチンができました。 精巧なつくりで、耳をすませば料理の音が聴こえてきそうな作品です。
穴をつくり、細い棒を埋め込んでいます。
毛糸や金属の小さなパーツを飾り付けています。
落ちる影の形も美しいです。
毛糸をぐるぐると巻きつけていきます。
木材を土台に巻きつけた毛糸が、つぼみや植物らしい有機的な表情を生んでいます。 下に生えた毛糸が、根のように広がっています。 「つぼみとみ」というタイトルが付けられました。
小さな木材に釘を打ちつけて、釘をテーブルや椅子の脚にしています。
椅子を引き出す持ち手の部分に、淡い黄色の毛糸を巻いていきます。 細やかな工夫が味わい深いです。
ひとつ、ミニチュアを制作した後に、別の作品にも挑戦しました。 くるくるくる巻いて、片手を離すと・・・
高速回転! 仕掛けがあって、遊べる作品も素敵ですね。
テーブルの中に椅子をぴったりと収納できるようにつくられています。
ギコギコ、ノコギリに初挑戦です! 今まで使ったことのない道具に触れることは緊張も伴いますが、新たな可能性に開かれる、わくわくする体験でもあります。
素材に触れていると、次々にアイディアが生まれてきます。 思いつきを大切に、勇敢に挑戦する姿勢が素敵でした。
皮のついた木材に、小さなカケラを乗せてみます。 舞台のようにもみえて、物語が生まれてきそうです。
親子で協力し合いながら、魚や生き物たちをつくりあげました。
切った木材は、しっかりとヤスリをかけ、触り心地が良さそうです。
実物をよく見ながら、ミニチュアの道具の色味を表現しています。 木の味も保ちつつ、道具の個性を引き出すために、いい塩梅を探りながら制作を進めます。
細部までこだわり抜いた作品が仕上がりました。 作業机の厚みも存在感があり、よく表現されています。
つくりたいイメージを講師に伝え、アドバイスをもらいながら進めています。
胴体にダボ穴をつくります。 細い面に穴をあける時はクランプで押さえて、安全な方法を工夫しています。
可愛らしい顔に、耳がつきました。
ダボをつくって接着し、完成です。 体の模様が毛並みのようにみえ、動きが感じられます。
細かなパーツにまでこだわったカンガルーさん。 乾燥して、立ち上がる姿をみるのが待ち遠しいです。
つくりたいイメージを、まずスケッチブックに描きます。
パーツをひとつひとつつくり、組み立てていきます。 タイヤを回転させるため、丸い板に穴を開け釘を挟み込みました。 釘の飛び出た先は、グルーガンで固めて安全性も確保しています。
自転車の完成です。 サドルには毛糸をクッションとして乗せたり、自転車のスタンドもつくりあげました。
図面から、必要なパーツを考えています。 まるで自転車づくりの職人です。
木の種類によって異なる色味を生かしています。
寄木のような技法で、色々な種類の木を組み合わせています。
だんだんとかたちがみえてきました。
ピアノへの愛にあふれた作品ができました。 鍵盤の黒鍵部分の本数まで、細やかにつくりあげています。
ピアノの奥に配置されたオブジェによって、コンサート会場かのような空間が生まれています。 美しい音色が聴こえてきそうですね。
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このページは文化スポーツ部 美術館が担当しています。