野田英夫《壁画下絵》
最終更新日:2020年7月17日
のだひでお へきがしたえ
昭和9年(1934年)紙、グアッシュ、油彩
18.3センチメートル×31.7センチメートル
荒野に突き立てられたいくつもの鉄塔。その内部には、満員の労働者を坑内へと運ぶエレベーターが描かれています。男たちの横顔には労働の過酷さとともに、働く男の誇りと自信がたたえられています。この絵にみられるように画中画を用いて画面に物語性を与える野田 英夫独特の手法は、代表作「帰路」(昭和10年東京国立近代美術館蔵)にも共通しています。
日系アメリカ人の子としてアメリカに生まれ、幼年時代を熊本で過ごし、18歳で再び渡米。ニューヨークでは国吉康雄と知り合い、リベラの下で壁画制作の助手を務めるなど活躍しました。本図を描いた昭和9年に来日して日米の多くの画家と交流し作品を発表しましたが、昭和14年わずか30歳の若さで、日米双方の関係者から惜しまれつつ逝去しました。
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