階段を描く~生活にある都市の表情~
最終更新日:2021年6月23日
「アートスタジオ☆WEB」は、家庭や学校など美術館外でも楽しめる、オンラインによるワークショップ・プログラムです。
このページのほか、動画、ダウンロード資料を参考に、ぜひ自分でも試してみましょう。
講師 藪野 健(やぶの けん)
画家の藪野健です。私は、特に「都市」をテーマに絵を描いています。
今日は、階段を描くことにしましょう。階段は、本当に身近なものですが、上り下りの機能だけでない、さまざまな発見があります。階段は、歩いていくたびに、面が広くなったり狭くなったりしていく変化もありますし、それから下とは違ったもう一つの世界が見えてきます。描いてみると、その変化であるとか、あるいは表情の豊かさというのが、よくわかります。皆さんの身近な、階段の表情を捉えて、絵にしてみましょう。
階段を描く~生活にある都市の表情~
「階段を描く~生活にある都市の表情~/藪野健」つくりかた資料 (PDF:1,687KB)
対象
小学生~大人まで
所要時間
2時間
内容
階段をじっくりと見つめて描くことで、身近にある都市の表情を発見する。
材料・道具
【材料】
- 水彩紙 1枚
- 鉛筆 1本
- 色鉛筆(油性) 数色
- 水彩絵の具 数色
- 製図用インク 1個
- 水 適量
【道具】
- 画板 1枚
- クリップ 2個
- 直線定規 1本
- 水彩道具一式(パレット・筆・筆洗など) 1セット
- つけペン(ペン先とペン軸) 1セット
- 水筆 1本
- カッター 1本
階段の風景をみて・・・
1.直線定規をつかい、鉛筆で水平線と垂直線をひく
- この線に影響されすぎないよう、薄めに。
2.全体像をつかみ、おおまかに描く
- 階段の位置は、どこから、どこまでか。
- 何を描きたいのかを意識しながら。
3.直線定規をつかい、修正しながら描いていく
- 目地をきちんと捉えていくと、階段のリアリティがでてくる。
- 描いていくうちに、この建物は整合性があって、ある規則正しいピッチでつくられていることがわかってくる。
4.壁や窓の風景も描き進める
- 無機質な物の中に、生きている枝を描くことは楽しい。
5.色鉛筆で色合いをだす
- 階段をひとつひとつ、自分でつくっていくような気分で。
- 質感を出すために、暗いところ・明るいところの色を分けながら塗っていく。
- 白色は、石が張ってある質感を表現することができる。
- 灰色の色鉛筆は、光の入っているところだけ残しながら進める。
6.絵の具で色をつけていく
- 全体の色調や明暗をつけていく。
- 絵の具を重ねると、下に置いた色鉛筆の色が効いてくる。
- エッジを出すところと、大胆に塗るところとを意識しながら。
- 階段と壁は、質感を出すことで描き分ける。
- 印象が深いところは、強く色をつける。
時々、離れてみて、全体を確かめる。
7.色鉛筆を入れ、絵の具で描いたところを起こす
- 生乾きのうちに、色鉛筆を入れておくと、不思議な質感がでる。
- 水性の絵の具と油性の色鉛筆と、反発する画材を併用することで、色々な表情がでてくる。
絵を描いていると、光が移っていったり、あるいは急に天候が変わったりする。それに応じて絵を進めていくことが、実際のものを前にして絵を描くときの楽しみでもある。
8.もう一度、水平垂直を確かめる
- 直線定規をつかい、鉛筆で線を入れる。
9.ペンをいれる
- 線をひくときは、一気にひいて、途中で止まらないこと。
仕上げ
- 色鉛筆や絵の具の様々な色をつかって、質感を強調する。
- ペンでエッジを際立たせる。など
完成!
階段だけではなく、皆さんの身近な広場であったり、橋であったり、川であったり、路地であったり、電車であったり、そういう生活の中の様々な表情を捉え、そして捉えるだけじゃなく、絵にしてみていただきたいと思います。
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