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春の江戸絵画まつり  リアル 最大の奇抜

最終更新日:2018年3月6日

画像 森狙仙 「群獣図巻」
森狙仙 群獣図巻 前期・後期とも展示

リアルに描くことは美術の基本……そう考えている人は少なくありません。明治時代の欧化政策を背景に、近代以降、西洋の画法をあらゆる美術の基本とする考え方が日本に定着したからでしょう。しかしそれは、言うまでもなく近代の話であり、きわめて限られた「リアル」のあり方です。古くからの日本の絵画を思い浮かべてみてください。迫真性にこだわらない、純粋な色や形そのものから醸し出される美しさは、日本絵画の大きな(おおきな)魅力だったのです。

 江戸時代になると、そんな日本の絵画の「美しいものづくり」のうえでは必要とされなかった、あるいは意識外だったことを追及する画家が現れます。その一人が円山応挙です。応挙は、徹底した「リアル」の画家です。目に映るありさまを冷静に分析して画面に表して(あらわして)みる、いわば既成の美の手段を破壊した創作者でした。
 「画を求めるなら自分に、図を求めるなら円山応挙に頼めばよい」。これは、今日(こんにち)「奇想の画家」と呼ばれる曽我蕭白が語ったと伝えられる言葉です。人気の応挙を向こうに回し、個性で勝負する蕭白の意気を示すものとして、よく知られています。しかし、蕭白といえば、中世以来の禅画の創作精神をも汲む画家です。見方を変えれば、旧来の芸術観をもつ蕭白にとって、科学的な目や技術から新しい絵づくりを試みた応挙の作品は、もはや別世界のものだったのかもしれません。たとえこの言葉が蕭白自身のものではなかったとしても、当時の人々の「リアル」に対する一つの(ひとつの)受け取り方を示す、非常に興味深い内容ではないでしょうか。
 江戸時代中期以降、応挙や江戸の司馬江漢ら、さまざまな画家たちが、思い思いに手法を考え、迫真的に表すことから生まれる未知の絵画の魅力を探っています。西洋絵画を目標にした明治以降とは違い、彼らの作品は、見た目も技法も多様です。また、それまでの「絵画の美とはこうあるべきだ」という考えや美意識と葛藤する様子、あるいは融合を試みる様子もみられます。
 ともすると近代の先駆けとみなされることの多い(おおい)江戸時代の「リアル」ですが、本展ではそのようなことに縛られずに、むしろそれを疑いつつ、作品に向き合いたいと思います。未知の領域に挑む画家たちの、濃密(のうみつ)で素晴らしい創作の数々を、ぜひご覧ください。

展覧会概要

会期

2018年3月10日(土曜日)から5月6日(日曜日)まで
作品の展示替えを行います。
*全作品ではありませんが、大幅な展示替えを行います。
前期 3月10日(土曜日)から4月8日(日曜日)
後期 4月10日(火曜日)から5月6日(日曜日)

休館日

月曜日(4月30日は開館)

開館時間

午前10時から午後5時(入場は午後4時30分まで)

観覧料

一般700円(560円)、高校生・大学生350円(280円)、小学生・中学生150円(120円)
注記:( )内は20名以上の団体料金。 
注記:未就学児および障害者手帳等をお持ちの方は無料。 
注記:常設展もご覧いただけます。 
注記:府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」で無料。

2度目は半額!
観覧券をお求めいただくと、2度目は半額になる割引券が付いています(本展1回限り有効)。

主催

府中市美術館

画像 村松以弘 「白糸瀑図」
村松以弘 白糸瀑図 掛川市二の丸美術館蔵 静岡県指定文化財 前期展示

20分スライドレクチャー

毎週日曜日 午後2時 講座室 無料

展覧会講座

5月5日(土曜日)
リアル-江戸絵画を面白くしたもの 金子信久(当館学芸員)
午後2時 講座室 無料

子ども向けイベント「リアル探検隊!」

会期中随時
展覧会を見ながら「探検隊ワークシート」のクイズに挑戦。観覧料が必要ですが、府中市内の小中学生は、「府中っ子学びのパスポート」で入場できます。年齢制限はありませんので、大人の方の参加もお待ちしております。

図録の通信販売について

「リアル 最大の奇抜」展の図録の通信販売は、会期終了後、残部があった場合に行わせていただきます。

展覧会チラシ

展示予定表

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お問合せ

このページは文化スポーツ部 美術館が担当しています。

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