児玉幸子公開制作プロセス
最終更新日:2020年9月6日
公開制作78 児玉幸子「脈動―溶けるリズム」の制作プロセスをご紹介します。
4月25日(土曜日)
新型コロナウイルス感染拡大防止のための休館中、午前中から道具や材料を搬入して、公開制作が始まりました。会場の設営とともに、ウェブカメラを天井に設置して、作業の様子を中継するテストを行いました。
通信環境を整え、ノートパソコンで中継を試みます。
ライトアートの材料を搬入し、壁に立てかけています。
ライトアートに用いる配線コードを短く切っていきます。
展示用の立体作品に磁性流体を流し入れます。
5月10日(日曜日)
ライトアートのスリットの入った前面部分の裏側に、LED(発光ダイオード)を規則正しく取り付けます。はんだごてで配線コードを丁寧につなぎ、電気が正しく流れることを確かめながら、作業を進めていきます。
根気よく細かな手作業に集中する児玉さん。
配線を終えたライトアートの前面部分。
5月31日(日曜日)
休館中に何日も、ライトアートの前面部分の裏面にLEDをとりつけ、配線する作業を続けました。光を制御するためのマイコンもとりつけて部品が完成していきます。
作品を壁にかけるための準備を進めます。
作品を壁にかけてLEDを点灯してみます。
6月20日(土曜日)
LEDの取りつけが完了した制作中のライトアート作品に通電して点灯させます。これから制作を行うインスタレーションのために、材料や器具の搬入を行いました。
仮置きしたライトアートが発光しています。
床面にテープで円状に印をしました。
6月21日(日曜日)
インスタレーションのための新たな材料や器具が新たに床に広げられます。これまで制作してきたライトアートの調整も同時並行で進めていきます。
ライトアートの裏面を調整します。
アクリル製の円盤が搬入されました。
7月5日(日曜日)
床面に設置するインスタレーション作品の部品を搬入し、セッティングを進めました。児玉さんの設計にもとづいて工場で制作した精密かつ重量のある部品です。磁性流体の動きを作る大きな磁力を生み出します。
大型の作品を組み立てます。
ガラス球体の作品も仮に設置しました。
7月26日(日曜日)
室内中央のインスタレーション作品の制作を進めました。ガラス質の白い石を積みあげて大きな
円筒形に金網を巻きつけています。
周囲の床面にビニールを敷きます。
ガラス質の白い石を盛りあげます。
磁性流体の動きを確認します。
8月2日(日曜日)
追加でガラス質の白い石を運び入れ、作品にさらに高く積み上げる作業を続けました。デジタルビデオカメラを三脚で固定し、前回に引き続き、インターネットによる実況中継も行いました。
白い石を追加で運び込みました。
ビデオカメラで制作の様子を撮影します。
8月10日(月曜日・祝日)
大きな
磁性流体が沈んだり、浮いたりします。
動画共有サイトでライブ配信も行いました。
8月20日(木曜日)・21日(金曜日)
ワークショップ「センサーを使って身体の動きで変化する映像を制作する」を、市民ギャラリーで行いました。2日間で計4回、小学5年生以上の12組が参加しました。センサーを動かすと、色、形、音などが変化するコンピューター・グラフィックスを、大学の研究室の方々と一緒にグループに分かれて制作し、壁面に映写して手で動かしながら実演しました。
ワークショップの進行について説明する児玉さん。
グループに分かれてパソコンで制作しました。
白い壁にプロジェクターで映して発表会をします。
参加者がセンサーを動かしながら実演します。
8月30日(日曜日)
講座室でアーティストトーク「脈動―溶けるリズム」を開催しました。児玉さんは、「突き出す、流れる」プロジェクトの成り立ちや作品の展開を中心に語りました。またゲストの加藤有希子さんは、児玉さんの作品を美術史における光と闇から読み解き、その現代的な意義を指摘します。公開制作室で作品の調整も行い、たくさんのお客さんが訪れました。
ライトアート作品の裏面を調整します。
壁面へ均等にきれいに並べます。
作品について説明する児玉幸子さん。
加藤さんのインタビューにも答えました。
9月6日(日曜日)
最終日を迎えました。作品が完成し、道具や材料を片づけ、室内は展示空間へと変わっています。午後には普及員によるガイドの活動もあり、一日中お客さんがたくさん興味をもってのぞいては、驚きながら鑑賞していました。
ロビーからみた公開制作室の全景。
完成した床と壁の展示作品の様子。
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