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パルコキノシタ公開制作プロセス

最終更新日:2015年11月13日

公開制作65「パルコキノシタ スウィート・ヒアアフター」の制作プロセスをご紹介します。

7月18日(土曜日)

公開制作がスタートしました。壁には震災をモチーフにした作品がかけられ、床には女川のワークショップで使用されたランドセルなどが展示されています。部屋の中央にキャンバスを広げて、これから制作が始まります。

7月25日(土曜日)

助手の方が手伝ってキャンバスの下地作りを進めました。用意したキャンバスは下地材の塗ってあるものですが、その上に薄い紙を貼りつけていきます。また、ランドセルに白いアクリル絵の具を塗り、絵を描く作業などを行いました。

7月30日(木曜日)

下地作りを続けます。刷毛を使い、薄い紙をジェルメディウムで二重に貼り込みます。その上から、さらにジェッソを塗ります。乾くとざらついた肌合いが生まれます。ランドセルが増えて、会場が埋まってきました。

8月4日(火曜日)・6日(木曜日)

キャンバスの下地作りが終わり、作画に入りました。構想を練り、紙にアイディアを描きとめていきます。大きな画面に、鉛筆で大まかに形を描いていきます。集中力のいる作業です。

8月11日(火曜日)

鉛筆で下図を描いていきます。全体の構図をとりながら、人物を描き込んでいきます。助手の方にポーズしてもらい、具体的な人間の形をスケッチしたりしました。

8月12日(水曜日)

鉛筆による下描きがだんだん細密に、リアルになっていきます。細部のイメージが具体的になってきたようです。画面右下の波の描写部分に、筆を使ってアクリル絵の具での着彩も始まりました。

8月15日(土曜日)

波の部分の描き込みが広がってきました。波の間に、いくつかの少女の顔が描かれます。油性ペンを使って太い輪郭線も描かれます。

8月16日(日曜日)

空の部分に薄く黒い色を塗ることで、全体の着彩が進んできました。鉛筆で下描きした細部の輪郭線を油性ペンで強調していきます。人物の形などが少しずつリアルになっていきます。

8月18日(火曜日)・20日(木曜日)

集中しての着彩と描き込みが進んでいます。波涛や少女の顔だけでなく、岸には鬼神ような姿も描かれ始めました。謎めいた部分がたくさん現れています。

8月30日(日曜日)

画面全体の描き込みが進んできました。細かい人物像がたくさん描かれています。暗い色が使われ、荒々しい雰囲気が生み出されます。

9月13日(日曜日)

ワークショップ「トンネル閉じて開かれる夢の世界を見てみよう!」を開催しました。小学生とその家族を中心に参加が広がり、段ボールで長いトンネルを作り、色紙を貼ったり、ペイントを塗ったりして完成させ、最後に中をくぐって遊びました。

9月23日(水曜日・祝日)

予定日ではありませんでしたが、完成に向けて制作を行いました。右から左まで、細部の人物などの表現に修正を加えていきます。試行錯誤の過程が続きます。

10月4日(日曜日)

予定日ではありませんでしたが、完成を目指すために、集中しての作業が続きます。描き直しもずいぶんしましたが、細かい部分の描き込みが進んできました。

10月11日(日曜日)

「市民文化の日 2015」があり、一日多くのお客さんが来場しました。パルコさんも、制作の追い込みで真剣な様子でしたが、その姿を多くの方が眺めていました。

10月12日(月曜日・祝日)・14日(水曜日)

時間をかけて細部の描き込みが続きます。烈しく押し寄せる力強い波と、無言に向き合う人々の姿が。いよいよ追い込みに入ってきた感じです。

10月25日(日曜日)

アーティストトーク「スウィート・ヒアアフターをめぐって」を開催。パルコさん自身が、今日までの仕事の歩みについて、たくさんの画像を投影しながら語りました。1980年末から現在までの時代の変化と呼応しながら制作してきたことがわかります。

10月28日(水曜日)、11月3日(火曜日・祝日)

部分を付け加えたりして最後の仕上げ。作品はそのまま床に置いたままの展示とし、タイトルを《スウィート・ヒアアフター》としました。縦150センチメートル、横546センチメートルの大作です。

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