公開制作49 長谷川繁
最終更新日:2024年1月19日
「”モチーフ”って何!?」
制作の様子を随時レポートしています。
2004年 油彩・綿布 府中市美術館蔵
縦横無尽の筆さばきと明快な色づかいで、身の回りにある物を描き出す気鋭の画家、長谷川 繁。画面に描かれている個々の物は判別できても、それらが組み合わさって何を意味するかは不明なまま、永遠の謎かけを発しています。
長谷川 繁は、画家たるもの、どんなものでも描けなければならないと言います。バナナやきゅうりといった何の変哲もない果物や野菜を描いて、絵画として成立させる。では何が絵画を絵画たらしめているのか。長谷川 繁の絵画は、「絵画とは何であるのか」という本質的な問いを投げかけているのです。
絵画の長大な歴史を顧みれば、それは簡単に答えの出せる問いではないでしょう。絵画にとりつかれた酔狂な怪人、長谷川繁は重々承知の上で、果てしない挑戦を続けているのです。その態度には、分かりやすい答えを求めがちな現代日本人への抗議が含まれているのかもしれません。
今回初めて行う公開制作では、描く題材を来館者の方々から募集します。他人から与えられる想定外の題材を、この画家はどう絵にしていくのでしょうか。ご期待ください。
2008年 油彩・綿布
会期
2010年4月10日(土曜日)から7月11日(日曜日)
時間
午前10時から午後5時
休館日
月曜日(5月3日は開館)、4月30日(金曜日)、5月6日(木曜日)
注記:5月11日(火曜日)から18日(火曜日)は、1階のみ開館しています。
観覧料
無料
モチーフとは
絵画、彫刻などにおいて、表現の動機となった中心思想。美術では一般的に「題材」とほぼ同じ意味で使われる。
長谷川 繁 略歴
2004年 油彩・綿布 府中市美術館蔵
- 1963年 滋賀県生まれ。神奈川県在住
- 1988年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了
- 1992年 ドイツ、デュッセルドルフ芸術アカデミー修了後、オランダ、デ・アトリエーズに在籍
- 2003~04年 再びアムステルダムにて制作活動。「ZONE 不穏な時代の透視者たち」(2003年 府中市美術館、東京)、「第11回インド・トリエンナーレ」(2005年、ニューデリー)、「絵画の庭」(2010年、国立国際美術館、大阪)などに参加
公開制作スケジュール
今回の公開制作では、皆さんから募集した題材を長谷川 繁が描きます。(注記:題材の募集は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。)
長谷川 繁の作品を見て、彼に描かせたい具体的な「もの」を考えてみてください。抽象名詞や固有名詞は不可です。あなたの「お題」が絵になるかもしれません。なお、題材の選択は、画家が行いますので、ご了承ください。
日程
注記:制作日以外は、制作途中の様子がご覧になれます。
- 絵の題材の募集 4月10日(土曜日)・11日(日曜日)
- 題材を選んで描く 4月18日(日曜日)・25日(日曜日)、5月2日(日曜日)・3日(月曜日・祝日)・8日(土曜日)・23日(日曜日)・29日(土曜日)、6月6日(日曜日)・12日(土曜日)
- 作品展示作業 6月13日(日曜日)
時間
正午から午後5時
完成作品の展示
期間
6月19日から7月11日の土曜日・日曜日
時間
午後1時から5時
会場
公開制作室
観覧料
無料
その他
府中市美術館ガイドがご案内します。
関連企画
アーティストトーク
- 日時:6月19日(土曜日)午後2時から
- 会場:講座室
- 費用:無料
- 申込み:当日直接会場へ
対談「“モチーフ”って何!?“タイトル”って必要!?」
- 日時:7月10日(土曜日)午後2時から
- 会場:講座室
- 出演:林 洋子(美術史・美術批評、京都造形芸術大学教員)、長谷川 繁
- 費用:無料
- 申込み:当日直接会場へ
お問合せ
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