公開制作76 山口啓介
最終更新日:2021年11月9日
公開制作76 山口啓介 「メタモルフォセス」
《原―翼のゆくえ 山水の構造 2》2015年
山口啓介は、1980年代後半に方舟を描く大型の銅版画で注目を浴びて以来、巨大なアクリル画や立体作品にも表現手法を広げながら、自然と生命の歴史を幻視する壮大なイメージ世界を紡いできました。それは核汚染のような地球の深刻な環境破壊など、現代社会が直面する問題の数々を、美しく優しい色と形を通して、幾重にも重なるイメージの叙事詩として語るものでもあります。
現在は、主に兵庫県で制作をしていますが、東京の武蔵野美術大学で学んだ山口は、福生市にもアトリエを構え、初期の制作拠点としていました。身近な武蔵野の自然や米軍基地の存在など多摩地区の文化的風土からも影響を受けています。創作と並行して取り組んでいる、植物の花や葉などをカセットケースに封入する「カセットプラント」のワークショップも、1999年に府中市で
花や種子、心臓など自然界にある魅惑的なイメージに託して、神話的、宗教的ともいえる、啓示に満ちた人類の物語を描き続ける山口の絵画は、時代の変化に機敏に感応しながら、変幻自在に進化をとげています。今回の絵画を中心とした公開制作では、描くという行為を通して、作家の心に生まれるイメージがどのように展開していくのか、その創作の秘密に迫ります。
企画概要
《共存する2つの顔、世界のためのcore no.13-pB4》2017-18年
会期
2019年7月20日(土曜日)から12月1日(日曜日)
休館日
月曜日(8月12日、9月16日・23日、10月14日、11月4日をのぞく)、8月13日(火曜日)、9月2日(月曜日)から13日(金曜日)、9月17日(火曜日)・24日(火曜日)、10月15日(火曜日)、11月5日(火曜日)
時間
午前10時から午後5時
会場
公開制作室(観覧無料)
制作公開
7月20日(土曜日)・21日(日曜日)・23日(火曜日)・24日(水曜日)・25日(木曜日)、11月9日(土曜日)・10日(日曜日)・15日(金曜日)・16日(土曜日)・17日(日曜日) 正午から午後5時
公開制作ガイド
7月28日(日曜日)以降の日曜日・祝日の午後1時から5時は、当館普及員によるガイドあり
ワークショップ「カセットプラントをつくろう」
日時
11月23日(土曜日・祝日)午後1時から4時
場所
創作室
対象・定員
小学生以上20人(抽せん)
費用
無料
内容
植物の花や葉などをカセットケースに入れ、組み合わせてインスタレーション作品を制作する。
講師
山口啓介(画家、公開制作作家)
申込方法
11月13日(水曜日)まで(当日消印有効)に、往復はがき(1人1枚)に、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号、返信用あて名を記入して、当館「カセットプラント」係へ/電子メール可(bijyutu02@city.fuchu.tokyo.jp)
《星の宮》《空気柱庭園》2003年高崎市美術館
《薔薇の箱、レストランのためのショウケース》2007年BankART1929
アーティストトーク「メタモルフォセス」
《水の月 4》2017年
日時
11月24日(日曜日)午後2時
場所
講座室
費用
無料
内容
公開制作の作品と自身の制作の歩みについて語る。
出演
山口啓介(画家、公開制作作家)
参加方法
当日直接会場へ
山口啓介(やまぐち けいすけ)
撮影 山元彩香
1962年兵庫県生まれ。1985年武蔵野美術大学卒業後、作家活動を開始し、《王の方舟》などの銅版画作品で数々の賞を受ける。1992-93年ニューヨーク滞在、文化庁在外研修によりフィラデルフィアのペンシルバニア大学留学、1995-96年デュッセルドルフ滞在。
2002年に西宮市大谷記念美術館、2003年に高崎市美術館で個展を開催し、樹脂による絵画《花の心臓》シリーズを発表、「カセットプラント」のワークショップも行う。
2015年、いわき市立美術館と豊田市美術館で連続個展を開催し、《歩く方舟》はじめ震災後をモチーフとした新シリーズ発表。2019年、広島市現代美術館の個展「山口啓介 後ろむきに前に歩く」(6月8日-9月4日)開催、愛知県美術館「地球・爆―10人の画家による大共作展 Earth Attack」(11月1日-12月15日)に出品予定。現在、兵庫と東京で制作、在住。
公開制作76 山口啓介「メタモルフォセス」ちらし (PDF:1,731KB)
関連情報
公開制作プロセスの様子を見ることができます。
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