公開制作70 狩野哲郎
最終更新日:2022年1月7日
公開制作70 狩野哲郎 「すべての部分が固有の形になる」
狩野哲郎公開制作プロセスを更新しました
狩野の制作の特徴は、既にあるものを選び組み合わせること、そしてそこに人間とは全く別の存在、すなわち「他者」の視線を導入することにあります。例えば狩野は鳥を会場に放ち、鳥の環境と人間が見る風景とを対比させます。また魚の習性に基づいて設計された釣り具を、形や仕組みに着目してモビールや彫刻を作ります。
今回の公開制作では、そのような狩野の実際の制作プロセスをご覧いただきます。大量の素材を持ち込んで選別し、加工方法を検討し、色や形を吟味するなど、さまざまな段階でなされる取捨選択の痕跡が、室内に拡がっていきます。当人にとって道理と論理、法則性を持つであろうプロセスは、私たちの目にどのように映るでしょうか。
実用や機能ばかりを追求したモノ、時に不要品となるようなモノが、練金術師のような狩野哲郎の手にかかると、新しく意味や役割を持って生まれ変わります。その変容の瞬間、わたしたちがそれまで意識することのなかった世界が鮮やかに想像されるにちがいありません。
《Wunderkammer》2013-14年 福岡市美術館での展示より (C)the Artist, Courtesy Yuka Tsuruno Gallery
概要
《あたらしい植物 / New plants》 2017年 (C)the Artist, Courtesy Yuka Tsuruno Gallery
会期
4月15日(土曜日)から7月2日(日曜日)まで
開館時間
午前10時から午後5時まで
休館日
毎週月曜日(5月1日をのぞく)、5月8日(火曜日)から19日(金曜日)まで
会場
公開制作室
主催
府中市美術館
観覧無料
公開制作スケジュール
公開制作日
4月15日(土曜日)、16日(日曜日)、23日(日曜日)、29日(土・祝)、30日(日曜日)
5月7日(日曜日)、20日(土曜日)、21日(日曜日)、27日(土曜日)、28日(日曜日)
注記:時間は午前11時から午後5時まで
完成作品展示
6月1日(木曜日)から7月2日(日曜日)
午前10時から午後5時まで
《公開制作のためのドローイング》 2017年
公開制作作家紹介
狩野哲郎(かのう てつろう)
1980年宮城県生まれ。2005年東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。2007年同大学院造形研究科美術研究領域修士課程修了。2011年狩猟免許(わな・網猟)取得。
近年の主な個展に「自然の設計 / Naturplan」(2011、ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト、東京都現代美術館)、「あいまいな地図、明確なテリトリー」(2013、モエレ沼公園、札幌)、「Nature / Ideals」(2015、SHISEIDO GALLERY、東京)、「a tree as a city」(2017、Yuka Tsuruno Gallery、東京)。グループ展に「呼吸する環礁―モルディブ-日本現代美術展」(2012、モルディブ国立美術館)、「想像しなおし」(2014、福岡市美術館)、「芸術植物園」(2015、愛知県美術館)など。
アーティストトーク
日時
4月22日(土曜日) ゲスト:今井俊介(美術作家)
6月3日(土曜日) ゲスト:青田
時間・場所
いずれも午後2時から、講座室
費用
無料
参加方法
予約不要、当日直接会場へ
ストライプ模様の生地がはためき重なり合うイメージを絵画化している今井俊介。
既製品の表面を削り落とし、ものの形や機能に注目させる作品を制作する青田真也。
絵画と立体という異なるジャンルで活躍するお二人の気づきから、狩野の制作プロセスやスタジオの様子を読み解いていきます。
4月22日トークゲスト紹介
今井俊介(いまい しゅんすけ)
美術作家。1978年福井県生まれ。東京都在住。2004年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主な個展に、「第8回 shiseido art egg 今井俊介 “range finder”」(資生堂ギャラリー、東京、2014年)、"surface / volume" (LOOP HOLE、東京、2012年)、主なグループ展に、「パースペクティヴ(1)」(インターメディアテク、東京、2017年)、「line & color」(HAGIWARA PROJECTS、東京、2015年)、「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、東京、2014年)など。
今井俊介《untitled》 2017年 キャンバスにアクリル絵具 Courtesy HAGIWARA PROJECTS
6月3日トークゲスト紹介
青田真也(あおた しんや)
美術作家。1982年大阪府生まれ。愛知県在住。2006年京都精華大学芸術学部造形学科版画専攻卒業。2008年愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了。主な個展に「個展」(青山|目黒、東京、2010年)、「Shinya Aota 2014」(青山|目黒、東京、2010年)、主なグループ展に「あいちトリエンナーレ2010」(長者町会場、愛知、2010年)、「日常/オフレコ」(神奈川芸術劇場、2014年)、「MOTアニュアル2014」(東京都現代美術館)など。
青田真也《untitled》 東京都美術館「MOTアニュアル2014 FRAGMENTS」展より 撮影:伊奈英次
狩野哲郎公開制作「すべての部分が固有の形になる」チラシ
(PDF:1,506KB)
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