民衆の鼓動―韓国美術のリアリズム1945-2005
最終更新日:2011年4月20日

シン ハクチョル 韓国現代史―カプトリとカプスニ 2002年 油彩、キャンバス 200×1952cm 韓国国立現代美術館
韓国の現代美術といえば、日本では1970年代のモノクローム絵画が主として紹介されてきましたが、近年は国際展で活躍する同時代の作家たちもよく知られるようになっています。しかし、韓国が民主化運動や高度経済成長でめまぐるしい変貌をとげた1980年代以降の美術は、これまで体系的に紹介されてはきませんでした。
民主化運動と関係の深かったリアリズム系の「民衆美術」は、それまでのモダニズム芸術への反動であるとともに、当時の激動する韓国社会を映し出す美術運動として現われました。そして、この民衆美術運動によってつちかわれた社会の現実や歴史に向き合う姿勢は、今日の韓国現代美術の中にも息づいています。
本展は、その知られざる「民衆美術」の全貌を初めて紹介する展覧会です。韓国国立現代美術館の所蔵品をはじめ、絵画、版画、彫刻、写真、映像など約110点の作品で、1945年の解放から今日へと綿々と続いている韓国におけるリアリズム美術の流れをたどります。これらの作品を通じて激動の時代をくぐりぬけた韓国社会の素顔にふれることができるかもしれません。
会期
2008年7月5日(土曜日)から8月24日(日曜日)
休館日
月曜日(7月21日は開館)、7月22日(火曜日)
開館時間
午前10時から午後5時(入場は午後4時半まで)
観覧料
例:一般 600円(480円)、高校生・大学生 300円(240円)
小学生・中学生 150円(120円)
注記1:( )内は20名以上の団体料金
注記2:未就学児および障害者手帳等をお持ちの方は無料
問合せ
ハローダイヤル 電話:03-5777-8600
府中市美術館、韓国国立現代美術館、読売新聞東京本社、美術館連絡協議会
後援
駐日大韓民国大使館 韓国文化院、韓国日報社
協賛
ライオン、清水建設、大日本印刷
協力
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主な出品作家
キム マンスル、イ スオク、イム ウンシク、イ サングク、オ ユン、カン ヨベ、ミン ジョンギ、アン ソングム、チュ ジェファン、ホン ソンダム、キム ジェホン、パク ジェトン、ソン ジャンソプ、シン ハクチョル、チェ ミンファ、イ ジョング、ホン ソンウン、イム オクサン、ク ボンジュ、ノ スンテク、パク ヨンギュン、パン チョンア、イ ミョンボク
関連イベント
講演会
7月6日(日曜日)「韓国民衆美術の歴史と現在」
針生一郎(美術評論家、金津創作の森館長、原爆の図丸木美術館館長)
7月20日(日曜日)「1980年代民衆美術と韓国リアリズムの流れ」
コ ソンジュン(新潟県立万代島美術館主任学芸員)
8月3日(日曜日)「韓国と日本における美術の政治的リアリズム」
武居利史(当館学芸員)
いずれも午後2時から 講座室・無料・予約不要
学芸員によるギャラリートーク
7月21日(月曜日、祝日)、7月27日(日曜日)、8月17日(日曜日)
いずれも午後2時から 企画展示室・無料(企画展観覧料が別に必要)・予約不要
ミュージアムコンサート「韓国伝統舞踊」
8月10日(日曜日)1回目午後1時、2回目午後3時(2回とも同じ内容) エントランスホール
民族芸能の中でも「民衆美術」に関わりの深い舞踊を紹介します。僧舞(スンム)で在日として初めて韓国重要無形文化財履修者を取得した舞踊家をむかえ、杖鼓舞(チャンゴチュム)、扇の舞(プチェチュム)などで華やかな韓国舞踊の魅力を伝えます。
出演はチョウ スオクほか・無料・予約不要
お問合せ
このページは文化スポーツ部 美術館が担当しています。

キム マンスル 解放 1947年 ブロンズ 70×30×30cm 韓国国立現代美術館

イム ウンシク 求職 1953年 ゼラチンシルバープリント 50.5×40cm 韓国国立現代美術館

イム オクサン ひとつになることのために 1989年 アクリル、コラージュ、韓紙 235×266×3cm 韓国国立現代美術館

パク ヨンギュン 広場の記憶 2003年 アクリル、キャンバス 162.1×260.2cm 作家蔵


